STORIES

光で、ものづくりを

これまでの不可能を可能にする
光加工機 Lasermeister シリーズ。

常に人の創造力を拡張するツールを提供してきたニコン。
半導体露光装置の技術を応用した光加工機 Lasermeister シリーズは、
これまでにないものづくりのツールとして、
これからのデジタルマニュファクチャリングを支えます。

誰でも、手軽に、気軽に

何もない空間に立体物を生み出すことから、登場時には“魔法の箱”とも呼ばれた3Dプリンター。中でも金属で造形できる金属3Dプリンターは、すでに多くのものづくり現場に導入されています。しかし、これまでの金属3Dプリンターには、大きくて重い、操作が面倒、価格が高いなどの課題がありました。

光加工機 Lasermeister 100A/101A

そこでニコンは、『誰でも、手軽に、気軽に使える』をコンセプトに、光(レーザー)によって金属材料の造形・肉盛り、マーキング、再溶融、接合などの積層造形(AM:アディティブ・マニュファクチャリング)を実現する光加工機 Lasermeister シリーズを開発・提供しています。

Lasermeister シリーズは、“史上もっとも精密な機械”と言われる半導体露光装置で培ってきたさまざまな技術の応用によって誕生しました。
その特徴の一つが、軽量・コンパクトであること。大きさは家庭用の冷蔵庫程度。質量も約320kgで、一般的なエレベーターで運搬可能。床を補強する必要がなく、置き場所を問わない点がお客さまから高く評価されています。

また、レーザービーム径が1mm以下と小さいため、従来の装置では不可能だった精密な造形を実現。医療や宇宙開発向けのマイクロマシンをつくることも可能になります。さらに、これまでの3Dプリンターではつくれなかった既存品へのアディティブ(付加)加工も可能にしています。

  • 材料を付加しながら形状をつくっていく加工法。

アディティブ加工により、金型やタービンブレードの補修なども実現。

5軸造形システム(縦横高さ3軸+回転・傾斜2軸)を採用したLasermeister 101Aは、あらゆる形状の金属造形に対応。

設置自由度の高さと
段取りレスが高評価

DMG森精機株式会社 小田陽平さん(右)、ニコン 鳴嶋弘明(左)

工作機械の世界的メーカーであるDMG森精機株式会社は、最大のショールームである伊賀グローバルソリューションセンタ(三重県伊賀市)と東京グローバルヘッドクォータのグローバルソリューションセンタ(東京都江東区)に、Lasermeister 101Aを導入しました。

「非常にコンパクトであること、そしてニコンならではのカメラ技術、測定技術、光制御技術が活かされた装置である点を高く評価しました」と、伊賀事業所への導入担当である同社の小田陽平さんは言います。

Lasermeister 101Aは、伊賀グローバルソリューションセンタの一画に新設されるアディティブ・マニュファクチャリングのコーナーAM Lab & Fabに設置されます。

「Lasermeister 101Aは装置内のカメラで加工対象物を撮影して位置を測定し、“段取り”と呼ばれる面倒な作業を不要にした点で他に類のない装置です。私たちのマザー工場である伊賀事業所には、世界中からお客さまがいらっしゃいます。多くの方に見ていただき、販売につなげるチャンスにしたいと考えています」と小田さん。

ニコンでは、アディティブ加工に関するDMG森精機株式会社の豊富な知見やショールームでのお客さまからの声を製品開発にフィードバックし、光加工機の品質や機能をさらに向上させていく予定です。

「Lasermeister 101Aは装置内のカメラで加工対象物を撮影して位置を測定し、“段取り”と呼ばれる面倒な作業を不要にした点で他に類のない装置です。私たちのマザー工場である伊賀事業所には
「Lasermeister 101Aは装置内のカメラで加工対象物を撮影して位置を測定し、“段取り”と呼ばれる面倒な作業を不要にした点で他に類のない装置です。私たちのマザー工場である伊賀事業所には世界中からお客さまがいらっしゃいます。多くの方に見ていただき、販売につなげるチャンスにしたいと考えています」と小田さん。

ニコンでは、アディティブ加工に関するDMG森精機株式会社の豊富な知見やショールームでのお客さまからの声を製品開発にフィードバックし、光加工機の品質や機能をさらに向上させていく予定です。

未来をドライブする光に

アディティブ加工を中心に、ものづくりに新たな可能性を提供するLasermeisterシリーズ。光を利用したニコンのものづくりへの貢献は、さらに続きます。

現在、光加工機の第2弾として、加工対象物の表面を計測しながらサブミクロン(1万分の1mm)レベルで平らにしていく『リムーバル加工機』を準備しています。熱を発生しない光を利用するため、金属はもちろん、セラミックスやガラスなど幅広い材料を利用できるのも特徴です。

また、加工対象の表面にリブレット構造(サメの肌のような微細で規則正しい溝構造)を形成する『リブレット加工』も予定。空気や水の抵抗を減らすことができるため、風力発電機の羽根や火力発電機のタービン、航空機や鉄道車両、船舶などの表面に応用すれば、燃料消費やCO2排出量を削減できると期待されています。

さらに将来的には、これらの機能を統合した光加工機や、より大型の加工対象物への対応なども視野に入れています。こうした今までにない革新的な加工ソリューションを提供することにより、ニコンは環境負荷軽減や加工技術の標準化・簡素化などに貢献し、光によるものづくりで豊かな未来を開いていきたいと考えています。

表面形状を高精度に計測し、その情報をフィードバックして補正しながら加工することで、サブミクロンレベルのリムーバル加工を実現。計測しながら加工する工作機械は、これまでなかった。

リブレット構造:サメの肌などに見られる構造。空気や水との摩擦を減らすことで、エネルギー効率を改善。

光によるものづくりの
真ん中へ

デジタルソリューションズ事業部
菅原 啓之

DMG森精機様とは2019年11月に包括的なビジネス契約を締結しました。同社の販売網で光加工機を販売いただくにあたり、多くのユーザー様に装置を体感いただくことが販売戦略として最適であると考え、同社の中心拠点である東京グローバルヘッドクォータと伊賀事業所への設置をご提案しました。

特に伊賀事業所には、「AM Lab & Fab」というアディティブ・マニュファクチャリングに特化したショールームが2021年1月にオープンする予定です。多くのお客さまが訪れるショールームは、貴重なご意見をいただける場です。そうした生の声を製品開発に活かすとともに、お客さまに対しては的確で有用なソリューション提案を心掛け、これからのものづくりをお手伝いしていきたいと考えています。

光加工機は今後のものづくりに必ず必要とされる装置です。今そこに携わり、新しい分野を切り開いていることに大きなやりがいを感じています。

次世代プロジェクト本部
鳴嶋 弘明

半導体露光装置のさまざまな技術のエキスを応用して誕生した光加工機 Lasermeister シリーズは、ニコンがこれから注力していく材料加工事業の柱の一つです。レーザーのビーム形状を自在にコントロールして『光を工具』にし、カメラで加工対象物の位置や形状を正確に計測して『光を目』とし、さらにそれらを精密に制御することによって、これまでの加工方法にはなかった新たな付加価値をものづくりにもたらします。

これからのものづくりは、デジタルマニュファクチャリングが主流になっていきます。その流れの中で光を使ったものづくりが当たり前になり、その中心にニコンがいられるよう、私たちが得意とする光応用技術や精密技術、画像処理技術などをさらに磨き上げるとともに、効果的にパッケージし、『光によるニコンのものづくり』を提案していきたいと考えています。

  • 所属、仕事内容は取材当時のものです。

公開日:2020年10月9日