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限界を超える
フォームのために

フォームの解析でパフォーマンスの向上に貢献

体の動きや姿勢を3Dデータとして撮影・画像処理し、
数値化したり視点を変えて観察できるニコンの姿勢解析システム。
ニコンならではの技術の融合が、トレーニングの進化や選手のパフォーマンスの向上に貢献します。

年々スピードアップする球の速さ

ダイナミックなフォームから放たれる時速100マイル(約161km)超の剛速球。スピードボールは、野球の魅力の一つではないでしょうか。そのスピードが、年々速くなっていることをご存じでしたか?MLB(メジャーリーグベースボール)によれば、2008年から2017年までの10年間で、平均球速は時速91.8マイル(約148km)から93.6マイル(約151km)にアップ。時速100マイル(約161km)以上で投げられるピッチャーの数も、18人から40人に増えています。

より速いボールを投げるためのポイントは、投球フォームとトレーニング方法。最近では、体の動きをデジタルで記録できるモーションキャプチャ技術を利用したトレーニングも行われています。
こうした取り組みは野球に限らず、さまざまなスポーツですでに行われていますが、モーションキャプチャのシステムは高価で設置も大変なため、利用できる人はプロやトップアスリートなど一部の人たちに限られていました。そこでニコンは、より身近な活用をめざし、姿勢解析システムを開発しています。

実際の競技・練習環境で
データが取れるように

従来のマーカー式モーションキャプチャは、体の要所要所に光を反射させるマーカーを付けて撮影します。しかし、装着には手間がかかり、マーカーを付けることで自然な動きが妨げられる場合もあります。また、システムが大規模なため専用スタジオで撮影するのが一般的でした。

ニコンの姿勢解析システムは、産業用測定機やデジタルカメラで培ってきた3Dセンシング技術や画像処理技術を融合。体に何も付ける必要なく、専用カメラ(測距カメラ)で撮影するだけで体の3次元座標を取り込み、画像処理してデジタルデータにします。
昼夜・屋内外を問わず撮影できるカメラと、それぞれの用途に応じた画角のレンズを開発することで、色々なスポーツの競技中、あるいは練習中に、その場で必要な解析データを取得できるシステムを目指しています。
たとえば野球では、マウンド上でのピッチャーの投球フォームを解析し、球威を向上させるフォームや故障を防ぐフォームの追求、球種によるフォームの癖の修正などに活用できます。

測距カメラ
投球フォームの実写と解析データを組み合わせたイメージ動画です。
取得データを数値化して解析することが可能です。

科学の力でスポーツの進化に貢献し、
さらにその先へ

ちなみに現在の MLB公式最速記録は、時速105.1マイル(約169km)。アロルディス・チャップマン投手(ニューヨーク・ヤンキース)が2010年9月24日に記録したもので、ギネス記録にもなっています。いずれ、この記録も塗り替えられていくことでしょう。

多くのスポーツで、フォームとパフォーマンスは密接に関係しています。体の動きを3Dデータ化し、そのデータ解析に基づいてフォームを改善したり、トレーニングを行うことは、さまざまなスポーツの競技レベル向上に役立ちます。

ニコンの姿勢解析システムでスポーツを進化させ、競技をする人にも、声援を送る人にも、より大きな感動を与える。ニコンはそんな未来を胸に、多くの方が普通に利用できるシステムをめざして、さらなる開発を進めていきます。

ニコンの技術で
世界により良い変化をもたらしたい

(写真左から、松尾 太郎さん、中川 源洋さん、岡村 浩成さん)

新事業開発本部
中川 源洋

開発全体のリーダーとして、ハードウェア、ソフトウェア両面を統括しています。実際に体験していただければ利用価値が一目で分かるシステムですので、一刻も早くデモシステムを完成させ、それをもとにお客様のニーズを確認していくという手法で開発を進めています。

今まで世の中には無かった価値を創出しようとしているので、チームメンバーには苦労をかけていますが、プロジェクトの立ち上げ段階から技術開発と利用場面の模索の両面に携わってきましたので、本システムを少しでも早く製品化したい思いでいっぱいです。

体の動きを3Dデータ化する技術は体型の計測にも応用できますので、トレーニングやダイエットの成果が一目でわかるようなシステムの開発も検討しています。また、スポーツ以外でも、民族舞踊などの伝統芸能の記録に活用したいという要望も寄せられており、活躍する場面が広がっていきそうで、開発者としては嬉しい限りです。

新事業開発本部
松尾 太郎

ソフトウェア開発を担当しています。システムの試作品を使っていただいたお客さまから「こんなものが欲しかった」と言われるなど、非常に必要とされている技術であることを実感できることが嬉しいし、やりがいを感じます。

その反面、要望されることがまだ世の中のどこにもないことなので、具体的な形にしていくのが大変です。特に複雑になりがちなソフトウェア構成をシンプルにしていくことに苦労していますが、それも技術者としてのやりがいだと思っています。

「いつでも、どこでも、誰でも」使える手軽なシステムをめざしていますので、体重計のように「あるのが当たり前」のツールになって、アスリートだけでなく、一般の方達のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上にも貢献できればと考えています。

新事業開発本部
岡村 浩成

マーケティング担当として、色々なお客様とお会いし、アンメットニーズの発掘に注力しています。また、外部カンファレンスなどのプロモーションにも関わっています。

ビジネスを成功させるためには、とにかく生の声をうかがうことが重要だと考え、積極的に社外の方々とお会いしています。そうした中で、スポーツ団体をはじめ、幅広い分野の方々に、ニコンの光学・映像技術を使った新しい価値を提案できることにやりがいを感じています。近い将来、利用したお客さまの中から金メダリストが生まれたりすると嬉しいですね。