双眼鏡

多彩な光学技術を高いレベルで。見る喜びを支えるニコンの原点。

優れた見え味で高い評価を得ているニコンの双眼鏡。それを支えているのが、ニコンならではのさまざまな光学技術の総合力です。例えば、優れた光学設計が実現する、かつてないレベルの超広視界や、視野周辺までシャープな像を得られる「フィールドフラットナーレンズシステム」。光学ガラス製造技術をベースとして色収差補正を適切に補正する「EDレンズ」 の採用等々。

スターウォッチング(天体観測)やバードウォッチング、海洋・沿岸の監視業務、登山、自然観察、旅行、スポーツ観戦、観劇など、さまざまなシーンにおける感動との最良の出会いを、ニコンの技術の総合力が支えています。

高度な光学設計

接眼レンズは直径が大きいほど広視界で、しかもメガネをかけたままでも視界の隅々までのぞきやすくなります。しかし、直径は人間の眼幅(左右の瞳の中心の距離)より大きくできません。接眼レンズ同士ぶつかってしまうからです。そこでニコンでは、接眼レンズを構成するレンズの枚数やその組み合わせ、それぞれの曲率などを工夫し、接眼レンズ径の大型化を抑えています。

こうした極めて高度な光学設計により、例えば「WX」では、超広視界(見掛視界66.6°(WX 7×50 IF)、76.4°(WX 10×50 IF))を達成。しかも、非点収差やコマ収差も極力抑えて、中心像の鮮明さを超広視界の最周辺まで実現。視界の枠を感じることなく、まるで星空の中で遊泳しているかのような感覚を味わえます。

WX 7x50 IFと7x50 SP WPの視界を比較したイメ一ジ
※ 画像はイメ一ジです

フィールドフラットナーレンズシステム

コマ収差および非点収差を十分に補正すると、光軸外の点から出た光線は一点に結像しますが、光軸上の結像点に垂直な面上に結像するとは限りません。これを像面湾曲と言います。像面湾曲があると視野中心でピントを合わせても周辺ではピントが合っていないという現象が生じるため、広視界タイプの双眼鏡には極めて大きな弊害となります。

この像面湾曲を光学系全体で適正化するのがフィールドフラットナーレンズシステムです。高度なレンズ設計により、非点収差やコマ収差も同時に補正し、視野の隅々までシャープかつクリアーな観察を実現しています。

EDガラス

可視光線はさまざまな波長の光で構成されており、全波長を一点に結像させることが対物レンズの理想です。しかし光はプリズムと同じ作用で曲げられるため、一般的に単レンズでは各波長の焦点距離がそれぞれ異なります。その結果、各波長の光が同じ位置に結像せず、大きな色収差が発生します。

従来のガラス材料を使用したアクロマート対物レンズでは、二つの波長について、その焦点距離を一致させることができます。例えば可視光の両端の波長である赤と青の波長の焦点距離を一致させることで、色収差をある程度押さえられます。ただし、細かく見れば他の波長、例えば緑の波長については焦点距離が異なるため、結果として残存色収差が発生します。この残存色収差を2次スペクトルと呼んでいます。

2次スペクトルは従来のガラス同士の組み合わせでは補正できず、特殊な分散の性質をもつEDガラスのような光学材料が必要になります。EDガラスは、他のガラスと組み合わせることで2次スペクトルの値を非常に小さくできるため、従来のアクロマート対物レンズと比較すると、色収差を飛躍的に低減させることができます。