Highlight

半導体露光装置のリユースで、
廃棄物を削減

製品・材料を再利用する。新たに投じる資源をできるだけ減らす。
そうした「資源循環型社会の実現」に向けた活動をニコンは進めています。
スマートフォン、家電、自動車など、さまざまな製品に欠かせない半導体の進化を支える
半導体露光装置におけるリユース、リデュースもその一つです。


「使って捨てる」から「めぐらせる」へ

たくさん資源を消費する使い捨ての社会から、製品・材料を再利用することで、できるだけ新たな資源を使わず廃棄物も出さない社会へ。この社会変革は、いまの企業に課せられた使命です。ニコンは、「資源循環型社会の実現」を環境長期ビジョンの一つに位置づけ、活動を進めています。

大切なのは「3R」の考え方。製品や材料を再利用する「リユース」、製造や販売で工夫して廃棄物の量を減らす「リデュース」、そして廃棄物を資源に再生する「リサイクル」。ニコンはこれらを積極的に進めています。

半導体露光装置を再販、レンズ再生も

半導体露光装置におけるリユース・リデュースは、ニコンが2000年より行っている活動です。
半導体を製造するのに欠かせない半導体露光装置。ニコンは、お客さまが使わなくなったニコン製の露光装置を買い取り、内部をリフレッシュして再販売するリユース活動をいちはやく事業化しました。2020年3月までに402台を再販売し、約3700トンの廃棄物削減を実現。半導体製品の進歩にともない露光装置が大型化しているため、リユースによる廃棄物削減の効果も大きくなっています。

平均重量9.3トン×387台
廃棄物削減量:約3,600トン

露光装置に使う投影レンズにおけるリユースやリデュースも行っています。露光装置は20年以上フル稼働することもあり、紫外線などの光源が投影レンズを徐々に変性させていきます。そこで、寿命となった投影レンズのユニットを丸ごと新しいものと交換することで、より長く使うことができるようになり、廃棄物削減につながるだけでなく、より高品質な製品を生産することができるようになります。

複数台の露光装置から1台、レンズのみ交換、
ニコンの工夫

リユース・リデュースの取り組みには、さまざまなニコンの特長的な工夫が見られます。
露光装置は、ガラス部材から機械、電気部材、露光光源、空調機まで、いくつものユニットでなりたっていますが、その一部のユニットだけが劣化して動かなくなることも。そこで、使用しなくなった露光装置を買い取り、複数の露光装置からまだ使えるユニットを集め、1台に作り直す、という取り組みをしています。余ったユニットについても、部品を取り出し、交換用に役立てます。

そして、お客さまの工場にある古くなった露光装置の投影レンズを交換し、使い続けられるように再生する取り組みもしています。従来は、露光装置全体をニコンの工場まで運び込まなければなりませんでしたが、お客さまのもとには投影レンズのみを輸送し、その場で交換するシンプルな仕組みに変更。これにより、輸送にかかる燃料を減らし、CO2排出量を削減することができました。
こうした取り組みを、ニコンと、露光装置の製造に携わるあらゆるグループ会社が、一丸となって進めています。

また、ソフトウェアをアップデートすることで、露光装置自体の仕様変更をすることなく、生産性を約8%アップさせることに成功しました。ハードウェア、つまり露光装置自体の仕様を変更するということは、それに伴う部品調達から製造にかかわる工程で、CO2を排出し環境に負荷をかけることになってしまいます。ハードウェアではなく、ソフトウェアをアップデートすることは、結果として、露光装置がお客さま先で長く活躍することを可能にしています。

Other Activities

長く使い続けてもらうために

半導体の小型化・高集積化のためには、露光装置でより微細な電子回路パターンを焼き付ける必要があります。また、繰り返しシリコンウェハに回路パターンを焼き付けるため、その重ね合わせ精度が重要となります。
ニコンでは、培った独自の技術を活かし、重ね合わせの歪みを高度に計測して補正するシステムを開発しています。また、このシステムを最新の露光装置に組み込むだけでなく、独立した装置「Litho Booster」として製品化しています。
Litho Boosterを製造ラインに追加することで、より精度の高い重ね合わせができるようになり、製造時の歩留まりを改善することができます。それにより、お客さまが既存の露光装置をより長く使い続けられるようになると同時に、廃棄物やエネルギーの無駄を削減することもできます。
このように、ニコンは技術力で、お客さまの3Rの促進にも寄与しています。

  • 半導体の製造では、複雑で微細な電子回路のパターンをガラス板に描いたフォトマスクを、極めて高性能なレンズで縮小して、シリコンウェハと呼ばれるシリコンの板に焼き付けます。電子回路のパターンを繰り返し何度もシリコンウェハに露光する際、位置がずれないように、ナノメートルレベルで位置合わせしています。

Outlook

資源循環型社会の実現へ、挑み続ける

半導体の製造においては、10年~20年前の機種も現役で活躍しています。その保守だけでなく、3Rを推進しながら露光装置に対するさまざまなニーズに対応できるのは、これまで培ってきた高度な技術が、ニコンにはあるからです。また同時に、それを新しい世代へ教え、引き継いでいく「人づくり」をしているからです。高度な技術とその伝承こそが、今日のニコンを支えていると言えます。

ニコンは、半導体露光装置におけるリユース・リデュースのみならず、あらゆる製品で資源循環をめざしています。開発・設計から製造・販売までのすべての工程で、省資源化や廃棄物削減に取り組んでいます。これからもグループ一丸となって、「資源循環型社会の実現」に向けて挑戦し続けます。

関連するSDGs

12 つくる責任つかう責任

持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)

国際社会が持続可能な発展のために2030年までに達成すべき目標で、国連総会が2015年に採択した。貧困、飢餓、教育、気候変動に関してなど、合計17の目標からなる。