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技術で実現。
レンズ製造のCO2削減

ニコンは2030年までにCO2排出量を2013年度比26%削減することを目標にしています。
オフィスでの省エネルギーなどにとどまらず、
技術力を駆使することでCO2の削減に挑んでいます。


1/4を占める「レンズ製造分野」が
CO2削減のカギを握る

カメラや顕微鏡、医療用機器、産業用の装置、また宇宙関連機器にいたるまで、社会の幅広い分野で活躍するニコン製品に、品質の高いレンズが組み込まれています。

一方で、レンズづくりは多くのエネルギーを消費するものです。製品の材料である光学ガラスからレンズを製造しているため、消費エネルギーが大きく、ニコン全体のCO2の排出量のおよそ4分の1を占めるほどとなっています。

そこでこのレンズ製造においてさまざまな発想や工夫で、環境への負担を減らすことに努めてきました。ニコンの進めている取り組みを紹介します。

ニコングループのCO2排出量割合
約4分の1がレンズ製造分野
Case Study.01

合成石英ガラス製造のシミュレーションで
実験回数を大幅削減

スマートフォンにも欠かせない半導体。薄型テレビやデジタル広告に使われるフラットパネルディスプレイ(FPD)。こうした製品をつくるとき、「露光」という工程でニコンの半導体・FPD露光装置が活躍しています。超精密なこれらの装置に使われているレンズ材料は「合成石英ガラス」という特殊なガラスです。

合成石英ガラスを試作するには、原料を長いこと高温で反応させてインゴットという大きな塊にするため、試作だけでも多大な熱エネルギーが必要でした。そこでニコンは、シミュレーションを導入し、実物をつくらず仮想環境のなかでインゴットの実験を行えるしくみを打ち立てました。このシミュレーションの設定には、流体力学や化学反応など、さまざまな条件の組み合わせを考慮することが求められましたが、ニコンが培ってきた技術力と経験の蓄積がこれを可能にしました。

これにより、ある加熱炉では、実物をつくって試作する場合にくらべ、約52,000キロワット時、CO2換算で26.3トン分の熱エネルギーを減らしています。

またニコンでは、同様のシミュレーションを活用した効率化を、蛍石の試作にも展開しています。半導体露光装置のほか、身近なものではカメラにも用いられる高純度・低欠陥の蛍石は、加熱炉で長い時間をかけてつくられるため、非常に多くの電力が必要となります。シミュレーションを用いた仮想環境での実験により、実際に試作する場合にくらべ、CO2換算で約15トン/年の削減をはかっています。

環境効果:合成石英ガラスCO2削減 約26.3トン/年、蛍石CO2削減 約15トン/年
Case Study.02

光学ガラス開発の実験効率を改善し
安定生産までの時間を1/3に

カメラや顕微鏡などに使われるレンズを開発するときは、まず小規模の実験で材料となる光学ガラスの製造条件を定め、つぎに大規模の実験で量産できるか確かめます。しかし、大規模の実験では装置内で温度のムラが生じることがあり、小規模の実験をやりなおさなければならないこともあります。時間もエネルギーもかかり、また廃棄ガラスも多く出てしまいます。

そこでニコンは、小規模の実験の結果が大規模な実験で確実に再現されるような方法を、品質工学を駆使して確立しました。これにより、開発から量産までの期間をこれまでの1/3となる1年以内に短縮。消費電力量を170.7 MWh(CO2換算で97.5トン)、またガラス廃棄物を15.6トン(CO2換算で228.7トン)前年度比で削減しました。なお、量産においても不良が大幅に減少しガラス廃棄物を約7.0トン(CO2換算で102.9トン)減らすことができました。

さらにニコンは、品質工学の実験で得られた技術情報を量産の熔解工程にも展開しました。新たに開発した光学ガラスを量産化する際に、熔解工程を改善し、少ない消費電力量で製造する方法を確立しました。この製造方法を類似の光学ガラスへ水平展開(2018年までに計10品種に展開)することで、消費電力量を106.2MWh(CO2換算で55.3トン)削減しました。

環境効果:CO2削減 約484.4トン/年 廃棄物量削減 約22.6トン/年 実験リードタイム 約1/3
Case Study.03

プレス加工の工程で精度の高い
製造をすることで廃棄物を削減

多くの製品で使われるレンズをつくるときは、四角いガラスの塊を金型で丸くプレス加工して形を整え、それを研削、研磨することでレンズにします。このプレス加工ではガラス材料と金型の種類の組み合わせが無限にあり、その条件を熟練者の経験に頼っていました。そのため加工した形状にばらつきが生じることも多く、「削りしろ」を厚めにとっていました。しかし、これはガラス廃棄物が多く発生する原因になります。

そこでニコンは、工程の要素を細かく分け、その一つ一つについてムダをできるだけ出さぬよう改善をはかりました。それにより、プレス加工におけるレンズの形状のばらつきを40パーセント抑えました。これは、1個あたりのガラス材料で考えると10パーセントの削減に成功したことになります。これを16製品に展開した結果、年間でガラス廃棄物を2.5トン(CO2換算で約36.8トン)減らすことができました。

プレス加工の形状のばらつきが小さい方が、レンズの削りしろが少なくなる
環境効果:CO2削減 約37トン/年 廃棄物量削減 約3トン/年

Outlook

高い性能・品質と環境負荷低減への
両立に挑み続ける

こうした取り組みは、継続できるものであるとともに、対象となる製品や工程を広げていけるものでもあります。ニコンでは、社内発表会を定期的に開催し、それぞれの現場で生まれた優れた新たな技術やノウハウを部門を超えて共有することでグループ全体での技術力向上につなげています。ニコンは、品質を高めながら環境への負荷を減らす取り組みをこれからも続けていきます。

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13 気候変動に具体的な対策を

持続可能な開発目標 (SDGs: Sustainable Development Goals)

国際社会が持続可能な発展のために2030年までに達成すべき目標で、国連総会が2015年に採択した。貧困、飢餓、教育、気候変動に関してなど、合計17の目標からなる。

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