国内初、再生医療等製品に用いる歯髄細胞由来
臨床用マスターセルバンク構築に向けた業務提携契約を締結

2018年1月29日PRESS RELEASE/報道資料

株式会社ニコン(社長:牛田 一雄、東京都港区)は、株式会社セルテクノロジー(社長:大友 宏一、東京都中央区、以下「セルテクノロジー」)と、歯髄細胞※1を原料とした再生医療等製品に用いるための臨床用マスターセルバンク(MCB)※2の構築を目指し、業務提携契約(以下「本契約」)を締結しました。

歯髄細胞は、従来は廃棄されてきた乳歯や親知らずなどの永久歯から容易に採取ができるうえ、増殖力が極めて高いことから、再生医療に利用可能な幹細胞として、有望視されています。歯髄細胞による再生医療の実用研究は、アルツハイマー病、脳梗塞などの神経疾患、心筋梗塞などの心臓疾患、糖尿病などの臓器疾患をはじめとする幅広い分野で進められています。セルテクノロジーは、再生医療のための他家移植※3向け細胞ソースとして、歯髄細胞を収集・備蓄しています。

ニコンは、コア技術である光学技術および画像解析技術を活用し、細胞の品質評価をソリューションとして提供する新事業を始めており、このソリューションはさまざまな現場ですでに採用されています。ニコンの100%子会社である株式会社ニコン・セル・イノベーション(社長:中山 稔之、東京都港区)は、再生医療用および遺伝子治療用細胞における前臨床試験から上市まで、幅広い受託開発・生産のサービスを提供しています。

本契約により、ニコン・セル・イノベーションは、セルテクノロジーが保有する歯髄細胞を原料とした再生医療等製品に用いるため、臨床用MCBの製造手法の開発および製造に関する業務を受託します。両社は、GCTP※4およびGMP※5に対応した歯髄細胞由来の臨床用MCBを用いて、研究機関および製薬企業などに対し、適切に品質管理された歯髄細胞を安定的に供給します。
本契約によって、両社で再生医療の実用化促進に大きく貢献します。

  • ※1歯髄細胞:歯牙という硬組織に保護されている、神経由来の幹細胞を含む細胞。
  • ※2マスターセルバンク(MCB):すべての再生医療等製品製造用細胞の元になる種細胞を一定の培養条件下で最低限の継代数を経て増殖させ、複数のアンプルに分譲したもの。
  • ※3他家移植:再生医療において、他人の細胞を移植すること。
  • ※4GCTP:Good Gene, Cellular, and Tissue-based Products Manufacturing Practiceの略。再生医療等製品の製造管理および品質管理の基準に関する省令に基づく適合基準。
  • ※5GMP:Good Manufacturing Practiceの略。医薬品および医薬部外品の製造管理および品質管理の基準に関する省令に基づく適合基準。

株式会社セルテクノロジーについて

全国約2,200施設の歯科クリニックと連携し、国内初となる歯髄細胞保管事業を運営する一方で、九州大学などの研究機関および第一三共株式会社、エーザイ株式会社などの製薬企業との共同研究により、備蓄した歯髄細胞を用いた再生医療の実用化に取り組んでいます。

こちらに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。販売が既に終了している製品や、組織の変更等、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

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