経営方針

持続的・中長期的に企業価値を向上させるために、2019年5月に2021年度を最終年度とする中期経営計画を発表しました。これに基づいてさまざまな戦略施策に取り組んでいます。

ニコンが中長期的に目指す姿

精密・光学分野で規模とリーダーシップポジションを有する事業から構成される、精密・光学のリーディングカンパニー

本中期経営計画の位置付け

持続的企業価値の「成長基盤構築」を目標とし、「仕込み」のための積極的投資を行う期間とします。

戦略施策の全体像

新領域への積極投資を通じた「新たな収益の柱の創出」を戦略の柱とします。同時に、既存主要3事業(映像、FPD、半導体)の収益力向上も図ります。

新たな収益の柱の創出

新領域への積極投資を通じた
新エンジンの早期獲得
(材料加工事業の立ち上げ)

既存事業の収益力強化

既存主要3事業の
収益力向上
(映像、FPD、半導体)

  • 映像事業:ニコンの基盤事業として、安定的に200億円以上の営業利益を確保
  • FPD装置事業:中長期的に安定需要が見込める市場で、引き続きリーダーシップポジションを堅持
  • 半導体装置事業:収益性重視の事業戦略の下、継続して安定的なキャッシュフローを創出

コスト改革

  • 3年累計:180億円
  • サプライチェーン最適化
  • 管理間接部門の機能・業務・コストをゼロベースで見直し
  • 販売、生産体制の最適化
  • 工程刷新、工期短縮

ものづくり基盤の強化

ガバナンス体制の強化

デジタルマニュファクチャリングによる「ものづくり体制」の構築

ガバナンス体制の強化

経営陣の指名と後継者育成計画

戦略的意思決定の監督・評価を実効的に行える体制

長期成長領域

さまざまな社会的課題と、それらの解決に応用できるニコンのアセット。この二つを考慮し、「デジタルマニュファクチャリング」「ビジョンシステム/ロボット」「ヘルスケア」の3つを長期成長領域に定めました。

マクロトレンド(社会課題、ニーズ)

  • デジタルトランスフォーメーション
  • インダストリー4.0
  • IoT
  • AI
  • 高齢化
  • 医療費増大

既存アセット

  • 光学技術
  • 精密計測・加工技術
  • 画像処理技術
  • 制御技術
  • 顧客基盤
  • サプライチェーンマネジメント

長期成長領域

デジタル
マニュファクチャリング

ビジョンシステム/
ロボット

ヘルスケア

中期経営計画の進捗状況と今後の方針

以上の戦略施策に対して、2020年5月に進捗状況と今後の方針について発表しました。以下はその要点です。

映像事業の収益力向上

進捗状況
  • 前年掲げた「安定的に200億円以上の営業利益確保」の実現は厳しい
今後の方針
  • 更に踏み込んだ構造改革実行により事業を再構築、早期黒字化を目指す
  • [構造改革進捗状況]

    • 全体:中計期間中に事業運営費を2018年度比500億円削減
    • 開発:製品開発は一層選別、成長領域へのリソースシフト積極化
    • 販売:営業戦略の抜本的な見直し、拠点・販社の最適化、徹底的な効率化
    • 生産:拠点の機能と規模を最適化

FPD装置事業・半導体装置事業の収益力向上

進捗状況
  • 直近、期ずれ発生も概ね予定通り推移
今後の方針
  • FPD装置事業:高精細化需要を捉え収益拡大
  • 半導体装置事業:液浸拡販に加え、中国ビジネスの強化と測定検査機拡販

映像事業・FPD装置事業・半導体装置事業以外の事業の進捗状況および今後の方針については、以下の通りになります。

ヘルスケア事業

進捗状況
  • 生物顕微鏡、眼底カメラ順調に伸長
  • 細胞受託生産は製造業許可を取得、量産をにらんだ細胞生産受託体制が整う
今後の方針
  • 製品/ソリューションの競争力を強化し収益性向上
  • 細胞受託生産はさらに顧客開拓を進め、スケール化を目指す

デジタルソリューションズ事業

成長領域の材料加工事業、ビジョンシステム/ロボット関連事業などを集約。今後、次世代プロジェクト本部と連携して成長領域のスケール化を加速する。

進捗状況
  • DMG森精機との提携等アライアンス体制整備、光加工機市場投入開始
  • Velodyne社向け受託生産のlidar出荷開始
  • 大手顧客より精密光学コンポーネントを受注、拡販の足掛かりを構築
今後の方針
  • 成長基盤構築から成長実現期間に向けて、アライアンスとM&Aを活用し、スケール化を図る

産業・その他事業

進捗状況
  • 自動車業界などの重要顧客への拡販活動は計画通り進捗
  • 三次元測定機はインラインへの導入を目指し開発中
今後の方針
  • ターゲット領域へのフォーカスを進め、ニーズを捉えた製品を投入
進捗状況
  • 「本社部門効率化」は当初目標オンライン
  • 「調達コストダウン」は調達量減少が影響するも初年度は目標を上回る成果
  • 新たに「物流改革」も進め目標達成を目指す
今後の方針
  • さらなる業務の効率化、コストダウン施策を進め、目標額180億円以上を実現する
進捗状況
  • 社外取締役を委員長とする指名審議委員会を設置
  • 取締役の多様性拡大

デジタルマニュファクチャリング領域

進捗状況
  • 協業先との提携等アライアンス体制整備
  • 光加工機市場投入開始
  • ローンチカスタマーとの協業開始
  • 非接触測定機の工作機械メーカーへの提供

ビジョンシステム/ロボット領域

進捗状況
  • 受託生産のlidar出荷開始
  • 協働ロボット用関節ユニット発売開始
  • 組込カメラの用途開発、販売開始
  • 精密光学コンポーネントを半導体関連装置向けに量産開始

ヘルスケア領域

進捗状況
  • 細胞培養受託生産で製造業許可を取得
  • Heartseed社と治験用のiPS細胞由来心筋細胞生産に関する契約締結
  • 眼科AIは欧州での診断開始に向け準備中

材料加工事業

本中期経営計画期間において立ち上げに注力する材料加工事業では、ニコン独自の材料加工事業を追求するとともに、アライアンスによるシナジーを活用して、さまざまな顧客価値の提供を目指しています。現在の進捗状況と今後の予定は、以下の通りです。

顧客 ニコン 提携先 エネルギー 航空・宇宙 自動車 医療 その他工業 装置販売や受託加工サービスなど、幅広い方法で価値を提供 第1弾:Additive加工 第2弾:Removal加工 第3弾:Riblet加工 光利用技術を応用した、ニコン独自のデジタルマニュファクチャリング 国内外のモノづくり企業や、テック系企業、スタートアップ

中長期的な、成長領域における事業拡大シナリオ

ニコンの新たな柱として確立するため、事業拡大シナリオを推進します。

2020-21年度 2022-24年度 2025年度〜
顧客開拓、製品開発 事業のスケール化 ニコンの新たな柱を確立
  • M&A・アライアンスにより立上げ加速
  • パイロット顧客とのパートナーシップ締結、共同プロジェクトを始動
  • 機能横断的なアジャイル開発
  • 複数の顧客アプリケーションを展開
  • 各事業で主要顧客を獲得、スケール化
  • 売上1,000億円規模の高収益事業に成長
  • 材料加工事業、ビジョンシステム/ロボット関連など、成長領域全体を立ち上げ
M&A・アライアンス
買収&シナジー
材料加工事業
ビジョンシステム/ロボット、
精密光学コンポーネント

経営数値目標

本中期経営計画にて達成すべき数値目標として、2021年度(2022年3月期)ROE8%以上を設定しました。