1980年~

1980年〜

時代をこえろ。

事業領域の拡大、デジタルへの挑戦

コンピューターと通信が進展し、
暮らしも産業も社会も、大きく変化した激動の時代。
光技術や超精密技術による技術革新によって、
デジタル社会の基盤を支え続けた。

1980

1980

一眼レフカメラ「ニコンF3」発売

「ニコンF3」は、ニコンのフラッグシップモデルとして、初めて電子制御式シャッターと絞り優先自動露出機構を採用するなど、当時の最新エレクトロニクス技術を採用した。さらに、ファインダー内表示の液晶化、TTLボディー測光方式の採用、スピードライトのTTL調光などの新機能を搭載。また、モータードライブを付属品としてではなく、カメラとの一体化を考慮して設計し、最高で毎秒6コマの高速モータードライブを実現した。カメラとモータードライブが一体となったデザインはイタリアのジョルジェット・ジウジアーロによるもので、シンプルなフォルムを追求し、ボディーにグリップのふくらみを設け、印象的な赤い線を入れた新鮮なデザインは、その後のカメラデザインに大きな影響を与えた。

ニコンF3 ニコンF3

最高級電子制御式絞り優先AE一眼レフカメラとして登場した。イタリアのデザイナー ジョルジェット・ジウジアーロによるデザインは、その後のカメラに大きな影響を与えた。

1980

超LSI製造用縮小投影型露光装置「NSR-1010G」発売

1976(昭和51)年3月、通産省(現 経済産業省)の主導で「超エル・エス・アイ技術研究組合(超LSI研)」が発足。超LSI研はニコンに回路パターンを10分の1にする縮小投影型露光装置、ステッパーの開発を依頼した。

このステッパーで核となる技術は3つ。ひとつは、「高精度の解像を実現する投影レンズ」。もうひとつは、「機械の位置を決め、高速かつ高精度で動く移動台(ステージ)」。 超精密かつ高速ステージの課題は、とにかくまっすぐに動くことで、ニコンが開発したものは、東京から富士山頂にあるテニスボールに矢を命中させるほどの精度を誇ったという。そして最後が「光を電気信号に変換し、読み取る光電センサー」。当時のニコンには、これらがすべて揃っていた。

そして、2年後の1978年3月、「試作1号機」を超LSI研に納入。さらに「試作2号機」を完成させ、いずれも高い評価を受けた。

1980年2月には、国産初の商用機、縮小投影型露光装置「NSR-1010G」を発表。1マイクロメートルの高解像度と高い重ね合わせ(アライメント)精度を実現し、超LSIの製造に有望な装置として大きく注目された。

NSR-1010G NSR-1010G

商用機としての国産初のステッパー。次世代の超LSI生産装置として、高い集積度、処理能力、歩留まりを実現。

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1981

1981

チタンフレーム「チテックス」発売

チテックス

世界初のチタンフレーム。従来のニッケル合金フレームに比べ強度が高いうえ、約50%の軽量化を実現。

1981

NASA仕様「ニコンF3」がスペースシャトル「コロンビア号」に搭載される

1978(昭和53)年の秋、NASA(アメリカ航空宇宙局)からスペースシャトルに搭載するカメラ製作の依頼があった。

NASAの要求は、250枚の写真が撮れ、撮影途中でもフィルム交換ができる自動露出カメラを1年半で完成させるというもの。ニコンは当時開発中であった「ニコンF3」をベースに、250枚撮りの「F3“ビッグカメラ”」と72枚撮りの「F3“スモールカメラ”」を1980年5月に納入。翌年、スペースシャトル「コロンビア号」に「F3“スモールカメラ”」が搭載された。

「ニコンフィールドスコープ」発売

1982

1982

ウェハ検査顕微鏡装置「オプチステーション」発売

「オプチステーション」とは、ウェハを自動搬送し、目視外観検査を効率化する装置。1979(昭和54)年に発売したウェハ表面検査装置NICIS-MX2に代えて製品化した。

オプチステーション オプチステーション

主に半導体製造のリソグラフィ工程・エッチング工程における外観検査に使用され、歩留まりの向上や製造ラインの安定化に寄与。

1983

1983

コンパクトカメラ「ニコンピカイチ(L35AF)」発売

ニコンピカイチ(L35AF)

ニコン初のコンパクトカメラ。ニコンで初めてカメラに愛称をつけるという試みが行われ、製品名「L35AF」とともに「ピカイチ」の愛称で呼ばれた。

1983

一眼レフカメラ「ニコンF3AF」発売

「ニコンF3」のボディーを基本に、ファインダーとAFレンズの信号授受をボディー経由で行うためボディーに信号用接点を設け、レンズ側に駆動モーターを組み込んだ。

ニコンF3AF ニコンF3AF

AF機構の開発に挑戦した「ニコンF3AF」。

1983

生物顕微鏡「アルファフォト(ALPHAPHOT)YS」シリーズ発売

1976(昭和51)年に開発した画期的な光学系CFシステムを実習用生物顕微鏡に拡げ、性能の向上を図った。軸上色収差および倍率色収差がきわめて少ないCF光学系を備えたことにより、医学部・歯学部学生の実習用顕微鏡のクラスでは最高級の性能をもつものとなり、位相差装置、落射蛍光装置、簡易偏光装置など高級機に準じた付属品の利用が可能になった。

アルファフォトYS アルファフォトYS

光学系CFシステムを実習用生物顕微鏡に拡げた「アルファフォトYS」。

1984

1984

35mmフィルムダイレクト電送装置「NT-1000」発売

ニコンでは、1979(昭和54)年半ばごろから、電子画像分野の調査を開始していた。1984年、共同通信社とともに開発した、世界初の35mmフィルムダイレクト電送装置「NT-1000」(モノクロ写真用)を報道向けに発売。この装置は、引き伸ばしたプリントを電話回線で送信する従来のシステムを革新。35mmのネガフィルム、ポジフィルムから直接画像を読み取ることができ、モニターを確認しながらトリミングや、手書きの文字を同時送信することが可能で、即時性が求められる報道現場のニーズに応えた。さらに、1988年には、フィルムを使わない、モノクロ専用の電子カメラ「QV-1000C」と交換レンズ「QVニッコール」、電送装置「QV-1010T」で構成されるスチルビデオカメラシステムを発売。この技術がやがて、ニコンのデジタルカメラシステム開発へと繋がっていく。

NT-1000 NT-1000

世界で初めての35mmフィルムダイレクト電送機として、共同通信社と共同開発のもと完成。

縮小投影型露光装置「NSR-1010i3」発売

1985

1985

トータルステーション「DTM-1」発売

DTM-1

ニコン初のトータルステーション。ニコンで初めて、全面にわたって電子化した測量機でもある。

1986

1986

三次元測定機「トライステーション600/600M」発売

トライステーション600/600M

ニコン独自設計による初の三次元座標測定機。国産機では初の空間測定精度5マイクロメートル以内を達成。

「ニコンF-501」発売

ニコンF-501

ニコン初のボディー駆動型オートフォーカス一眼レフカメラ。

1986

大型基板用露光装置「NSR-L7501G」発売

ニコンは、半導体露光装置の技術を活かして、液晶ディスプレイ製造用などのFPD(フラットパネルディスプレイ)の露光装置開発に取り組んだ。ディスプレイの基板となるガラスプレートの上に3〜5マイクロメートルの回路(スイッチ)を形成する露光装置を目指し、1986(昭和61)年に、大型基板用露光装置「NSR-L7501G」を発売。当時の半導体露光装置の露光範囲は最大30mm角であったが、この装置は75mm角までの対応を可能にした。

NSR-L7501G NSR-L7501G

ニコン初の液晶露光装置。液晶ディスプレイのニーズが高まり、いち早く市場に投入。

1988

1988

縮小投影型露光装置「NSR-1505EX」発売

1988

「株式会社ニコン」に社名変更

1988(昭和63)年4月1日、日本光学工業株式会社は「株式会社ニコン」として新たなスタートを切った。当時、すでに「ニコン」というブランド名は、各分野で高い信用を得ていた。世界的にも広く浸透し、信頼を集めている名称を有効に活かし、国際企業として発展していくための社名変更であった。

Nikonロゴタイプとシンボルパターン Nikonロゴタイプとシンボルパターン

当時、同時に新たに制定されたNikonロゴタイプとシンボルパターン。

35ミリフィルムスキャナー「LS-3500」発売

LS-3500

35ミリフィルムで撮影されたカラー画像をデジタル信号に変換してコンピューターに入力する。

1992

1992

水中AF一眼レフカメラ「ニコノスRS」発売

ニコノスRS

水中でのAF撮影を可能にした「ニコノスRS」。

1995

1995

CNC画像測定システム「NEXIV」発売

CNC(コンピューター数値制御:Computer Numerical Control)画像測定システムは、光学測定技術とコンピューターによる画像処理技術を用いて各種精密機器・電子部品等の被検物(ワーク)の寸法・形状を、高精度に自動測定・検査する装置である。

電子、自動車部品などの製品の微細化、高精度化に伴い、部品の表面に触らずに測る、非接触光学測定の重要性がますます大きくなってきた。一方、生産のオートメーション化に伴い、計測検査工程の現場においても大量に、迅速に、そして、精密に自動で測ることが強く求められていた。こうした要請に対し、「人間の視覚と判断の自動化」をコンセプトに開発したのが「NEXIV(Nikon EXcellent Intelligent Vision system)」である。

「NEXIV」はCCD カメラで取り込んだ画像から被検物のエッジを検出、データ処理し、複雑な測定を高精度で行う。採用したテレセントリック光学系は、ピントがズレて像がボケても、その大きさは変わらない(遠くても近くても同じ大きさに見える)。像の寸法が一定で変化しないため、画像測定や画像処理に最適な光学系である。

ニコンは、この革新的な光学技術の開発により「もはや人間の視覚では不可能な検出、精度、スピード」を実現。ますます複雑化する先端精密部品の検査工程で高品質維持に貢献している。

NEXIV NEXIV

画像処理技術により非接触での高精度測定が可能。コンフォーカル(共焦点)タイプは、同一視野内における2次元および高さ方向の測定も可能。

デジタル一眼レフカメラ 「E2/E2s」発売

E2/E2s

富士写真フイルム(現 富士フイルム)と共同で開発した、独自の縮小光学系を搭載した一眼レフ型デジタル(スチル)カメラ。主要なFマウントレンズを利用できた。

縮小投影型露光装置「NSR-S201A」発売

NSR-S201A

0.25マイクロメートル以下のデザインルールに対応した世界初のレンズスキャニング方式 KrF エキシマステッパー(KrFスキャナー)。

1996

1996

ネイチャースコープ「ファーブル」発売

ネイチャースコープ・ファーブル

観察物を双眼で“そのまま”観察することができる携帯型の実体顕微鏡。

研究用生物顕微鏡「ECLIPSE E800」発売

ECLIPSE E800

光学系を、無限遠補正光学系「CFI60システム」に一新。同焦点距離が60mmに。

1997

1997

デジタルカメラ「COOLPIX 100/300」発売

COOLPIX 100

ニコン初のコンパクトデジタルカメラ。写真の「COOLPIX 100」は、PCカードスロットに差し込むことでダイレクトにデータ転送できるユニークな構造。 「COOLPIX 300」はペンタッチによる操作が可能。