双眼鏡

多彩な光学技術を高いレベルで。見る喜びを支えるニコンの原点。

優れた見え味で高い評価を得ているニコンの双眼鏡。それを支えているのが、ニコンならではのさまざまな光学技術の総合力です。たとえば、多様なコーティング技術をベースに最適なコーティングを施し、明るさを向上させる「マルチコート」。そして、光学ガラス製造技術をベースとして、色収差補正を適切に補正する「EDレンズ」。さらには、優れた光学設計により、視野周辺までシャープな像を得られる「フィールドフラットナーレンズシステム」等々。

バードウォッチングやスターウォッチング、海洋・沿岸の監視業務、登山、自然観察、旅行、スポーツ観戦、観劇など、さまざまなシーンにおける感動との最良の出会いを、ニコンの技術の総合力が支えています。

多層膜コーティング

レンズを通る光の一部は、レンズ表面(入射面)と裏面(射出面)で反射して失われます。反射が多いと透過する光の量が減少し、像は暗くなります。また、反射した光はフレアーやゴーストとなり、像のコントラストに悪い影響を与えます。ニコンでは、より明るく鮮明な像を得るために、レンズ透過面(表面と裏面)に反射防止コート処理を施しています。

コーティングの膜が単一の層であるものを単層コーティング、複数の膜で形成されているものを多層膜コーティングと呼びます。多層膜コーティングには、単層で除去できなかった反射光を何層ものコーティングによって減少させ、透過率を上げる効果があります。

EDレンズ

可視光線はさまざまな波長の光で構成されており、全波長を一点に結像させることが対物レンズの理想です。しかし光はプリズムと同じ作用で曲げられるため、一般的に単レンズでは各波長の焦点距離がそれぞれ異なります。その結果、各波長の光が同じ位置に結像せず、大きな色収差が発生します。

従来のガラス材料を使用したアクロマート対物レンズでは、二つの波長について、その焦点距離を一致させることができます。たとえば可視光の両端の波長である赤と青の波長の焦点距離を一致させることで、色収差をある程度押さえられます。ただし、細かく見れば他の波長、例えば緑の波長については焦点距離が異なるため、結果として残存色収差が発生します。この残存色収差を二次スペクトルと呼んでいます。

二次スペクトルは従来のガラス同士の組み合わせでは補正できず、特殊な分散の性質をもつEDガラスのような光学材料が必要になります。EDガラスは、他のガラスと組み合わせることで二次スペクトルの値を非常に小さくできるため、従来のアクロマート対物レンズと比較すると、色収差を飛躍的に低減させることができます。

フィールドフラットナーレンズシステム

コマ収差および非点収差を十分に補正すると、光軸外の点から出た光線は一点に結像しますが、光軸上の結像点に垂直な面上に結像するとは限りません。これを像面湾曲と言います。像面湾曲があると視野中心でピントを合わせても周辺ではピントが合っていないという現象が生じるため、広視界タイプの双眼鏡には極めて大きな弊害となります。

この像面湾曲を光学系全体で適正化するのがフィールドフラットナーレンズシステムです。高度なレンズ設計により、非点収差やコマ収差も同時に補正し、視野の隅々までシャープかつクリアーな観察を実現します。