トップメッセージ

株式会社ニコン 代表取締役 兼 社長執行役員 CSR委員会委員長 牛田一雄

Unlock the future with the power of light

2017年7月、ニコンは創立100周年を迎えました。
振り返れば過去100年間、ニコンは常に、人々の豊かな暮らしや幸福に貢献するための製品を生み出し、世界中のお客様にお届けしてきました。その歴史の中では、カメラなどの民生品による世界への事業拡大、半導体、FPD露光装置の事業への進出、デジタルカメラへのシフトなどの変革を経験しました。
そして今ふたたび、ニコンは大きな変革と向き合っています。ネットワークの高速・大容量化と結びついたIoTやAIを活用することで、「光」と「見ること」が持つ可能性を究め、「産業の視覚」となることをめざしています。網膜画像診断機器市場へ参入し、眼底カメラとAIを結びつけた簡易診断技術の確立をめざしていることもそのひとつです。この「視覚」の役割は、ニコンが社会への貢献の幅を広げることになると私は確信しています。

一方、サステナビリティに関わる世界の動きにも、大きな変革が起きています。これまでは知り得なかった遠い国での環境破壊や人権侵害などの実態が、世界中に知らしめられるようになりました。ニコンでは、「国連グローバル・コンパクト」に賛同し、人権・労働・環境・腐敗防止の課題に取り組んできましたが、新たに認識された国際的な課題とも真摯に向き合い、社会の持続可能な発展に貢献すべく取り組みを進めています。

近年、ニコンでは、現代奴隷や紛争鉱物など、サプライチェーンの人権に係る課題への対応や、グローバル人事施策「FUTURE IN FOCUS」による多様な社員の活躍推進、さらにガバナンス強化に力を入れています。特にガバナンス強化において、ニコンは2016年に「監査等委員会設置会社」に移行したことに続き、2017年に社外取締役の割合を3分の1以上に増やしました。多様な視点を取り入れることで、一層、ステークホルダーの方々や、社会に目を向けた経営を行っていきます。

私は、社員には「好奇心」、「親和力」、「伝える力」が大切だと伝えています。革新的な技術は、均質な組織では生まれにくいものです。この3つの力を社員の心掛けとして浸透させるとともに、多様な社員がより一層活躍する環境を整えることで、イノベーションを起こしていくことが欠かせないと考えています。このことは、新たな事業を興し、ニコンを発展させていくためでありますが、同時に、社会課題を捉え、その解決にニコンが貢献していくためでもあります。

「持続可能な開発目標(SDGs)」の国連での採択が象徴するように、世界ではさまざまな課題が深刻な状況にあり、企業が果たすべき社会的責任も大きくなっていると感じます。私は、ニコンの個性とも言える光の可能性で、世界に貢献していきたいと考えています。

「信頼と創造」という企業理念はそのままに、100周年を迎えた2017年7月、新しい経営ビジョンを策定しました。これからも、何事にも真摯かつフェアに取り組み、世界のいたるところにニコンの光が溢れ、人々に寄り添う存在であるよう努力を続けてまいります。
ニコンは光で未来を変えます。

2017年8月