生物顕微鏡と画像解析技術を用いたiPS細胞の品質評価技術の確立へ向けて

京都大学iPS細胞研究所との共同研究を開始

2016年5月26日PRESS RELEASE/報道資料

株式会社ニコン(社長:牛田 一雄、東京都港区)は、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の細胞調製施設(FiT)内におけるiPS細胞の培養工程で使用される生物顕微鏡観察システムの画像解析およびそれを用いた細胞の培養状態の判断技術に関する共同研究契約を2016年5月23日に締結完了しました。

共同研究の背景と目的

2007年に発明されたヒトiPS細胞は、ヒトを形成する様々な細胞に分化することが可能であり、従来の手法では治療が困難な疾病に対する応用に向けた研究が進められています。特にiPS細胞を利用した再生医療の発展に向けては、周辺産業の確立とともに様々な規格や基準の整備が求められており、これらの取り組みは、近年、日本のみならず諸外国でも積極的に展開されています。

こうした産業の確立、規格整備においては、まずiPS細胞を大量にかつ安全に安定的に製造することが最も重要となります。一方、iPS細胞は非常に繊細な細胞であるため、その製造工程におけるわずかな影響により性質が変化しますが、現在は、製造工程における細胞の状態評価は人の眼による観察によって行われています。

今回の共同研究は、当社の保有する顕微鏡観察技術とパターン認識技術を採用した画像解析技術を用いて、iPS細胞の状態を数値化し、細胞の品質を客観的に評価・判断可能なものへと置き換え、その数値化された品質評価を基に、安定した細胞・培養管理システムの構築を目指すものです。

このようなシステム構築が実現すれば、細胞の状態に加えてその培養手法に対する客観的な評価も可能となり、評価方法が一元化されることでiPS細胞の均質化にも貢献することが期待されます。

また、本解析技術を用いた細胞培養管理システムは、京都大学iPS細胞研究所以外の施設でも利用されることにより、これまで各施設において違いが見られたiPS細胞の評価基準や評価方法の統一、iPS細胞の均質化、ひいてはiPS細胞を用いた再生医療の産業化、発展につながることを目指しています。

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