ニコン ArF液浸スキャナー「NSR-S621D」を発売

ストリームライン プラットフォーム採用の超高精度・超高スループット最新型液浸露光装

2012年2月1日PRESS RELEASE/報道資料

株式会社ニコン(社長:木村 眞琴、東京都千代田区)は、最新型ArF液浸スキャナー「NSR-S621D」の販売を2012年1月から開始しました。この新型露光機は、既に定評のあるNSR-S620Dの精度や生産性をさらに向上させ、22ナノメートルプロセス量産用(ダブルパターニング適応※1)に開発された装置であり、今後の主力商品として拡販に努めます。

  • ※1ダブルパターニング: 1つの回路パターンを、現行の液浸露光機で転写できる2つの密集度の低いパターンに分割露光し、この2つのパターンを組み合わせて、最終的に密集度を高めることを可能とする手法。
ニコンArF液浸スキャナー「NSR-S621D」

概要

商品名 ArF液浸スキャナー「NSR-S621D」
販売開始時期 2012年1月より

開発の背景

IT革命の根幹を担う超LSIの高集積化・微細化が進み、半導体業界では20ナノメートル世代プロセスのデバイス開発・生産に移行しています。リソグラフィ分野においては、引き続き液浸露光装置によるダブルパターニング技術が有力とされており、重ね合わせ精度とスループットの大幅な向上が求められます。
NSR-S621Dは、NSR-S620D※2で既に定評のあるストリームライン プラットォーム(Streamlign Platform)を採用しつつ、ハード及びソフト両面からさらなる改良を加えることにより、重ね合わせ精度2ナノメートル以下、スループット毎時200枚以上、という極めて高い精度と生産性を実現し、お客様の生産ラインにおいて最適かつ効率的なソリューションを提供します。

  • ※2参考:従来機NSR-S620Dの重ね合わせ精度は3ナノメートル以下、スループットは毎時180枚以上。

ストリームラインプラットフォーム(Streamlign Platform)の主な特長

1. 重ね合わせ精度の大幅な向上を実現する新干渉計システム:バーズアイ・コントロール(Bird's Eye Control)

エンコーダを利用し、空気揺らぎの影響を受けずにステージの位置を計測し、従来の干渉計計測とのハイブリッドなシステムを構成。重ね合わせ精度を大きく向上しました。

2. スループットの大幅な向上を実現する新計測技術:ストリームアライメント(Stream Alignment)

FIAの5眼化※3により、短時間でのアライメント計測を可能にしました。5眼化の効果により、全ショットに近い多点計測時でもスループット低下を最小限に抑えます。

  • ※3FIAの5眼化:アライメント顕微鏡を従来の1眼タイプから5眼化(5連装タイプ)にしたこと。

3. メンテナンス性向上のための新モジュール構造:モジュラースクエアード・ストラクチャー(Modular2 Structure)

階層的なモジュール化を実現する事により、お客様先での立ち上げ時間を短縮し、さらに部品交換も平易化しました。そのため、メンテナンス性が大幅に向上しました。

「NSR-S621D」の主な性能

解像度 38 nm以下
NA(開口数) 1.35
光源 ArFエキシマレーザー(波長: 193 nm)
縮小倍率 ¼倍
最大露光領域 26 x 33 mm
重ね合わせ精度(M + 3 σ) 2 nm以下
スループット(300mmウェハ毎時)125 shots 200枚以上

こちらに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。販売が既に終了している製品や、組織の変更等、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

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