FotoNation社及び、Microsoft社と協力して開発デジタルカメラと無線LANで画像の転送を容易にする新画像転送技術「PTP/IP」について
2004年9月13日
株式会社ニコン(社長:嶋村 輝郎)は、新たなデジタルカメラのコンピュータインターフェースとしてFotoNation社が開発したPTP/IPを採用し、デジタルカメラで撮影した画像の転送を容易にする技術を確立しました。PTP/IPとはデジタルカメラとパソコンをLAN接続する際のプロトコル(通信のための規約・手順)で、現在USBケーブルでの接続のために使われているPTP(ISO 15740)を拡張し、無線LANでの接続を可能とするものです。(PTP/IPは、Picture Transfer Protocol over Internet Protocolの略です)。
今回ニコンは、このPTP/IPを基本として、独自にデジタルカメラへの応用を行いコンピュータとの間で画像転送を実現しました。
現在、本技術の実用化・製品化に向けてFotoNation社及びMicrosoft社と協力して開発を進めています。まずは、本技術をプロフェッショナル向けの商品に採用、将来的にはコンシューマー向けの商品にも展開していく予定です。
開発の背景
2003年、ニコンは無線による画像転送を行うワイヤレストランスミッター「WT-1」(IEEE802.11b規格準拠)を発売しました。
この「WT-1」を、デジタル一眼レフカメラ「D2H」に装着することにより、カメラから直接、無線LANを通じて画像転送が可能となり、野球場、陸上競技場などで撮影するカメラマンは画像転送用のケーブルが不要となりました。これにより、ケーブル敷設ができない場所でも画像転送を実現しました。また、ハンドリングの良さ、機材の軽減などに大きく貢献し、すでに高い評価を得ています。
なお、この「WT-1」はFTP(File Transfer Protocol)転送方式を使用していたため、接続の確立にカメラや受信側のパソコンの設定を必要としました。
新技術のねらい
今回、FotoNation社とニコンが共同で開発した本技術は、従来よりもカメラや受信側のパソコンの設定を容易にし、USBでデジタルカメラとコンピュータを接続するのと同じように、簡単に無線LAN接続による画像転送を可能にします。
ニコンでは、このPTP/IP技術を採用したワイヤレストランスミッターを近日発表する予定です。なお、このワイヤレストランスミッターは従来のWT-1よりも高速な画像転送を可能とし、従来通りのFTP転送にも対応可能です。
このPTP/IP技術を採用した製品は、接続設定が容易であるため、デジタル一眼レフカメラだけでなく、今後のニコンのデジタルカメラに広く採用し、COOLPIXシリーズにも展開していく予定です。
このPTP/IP技術をより身近なコンシューマー向け商品に展開することにより、さらに新たな便利さや快適さを提供できると考えております。その一例として、容易に無線での画像転送を行える本技術が広く浸透していけば、デジタルカメラから直接PictBridge対応プリンタへケーブルレスで画像転送を行い、簡単に印刷することが可能になります。またTVへの組み込みによる画像の表示、DVDレコーダーや専用画像ストック機器などへの組み込みで画像のファイリングなどへの応用も考えられます。
ISOにおけるPTP分科委員会のプロジェクトリーダーでもあるFotoNation社のCEO、Eran Steinberg氏も、「PTP/IP技術は、ワイヤレス機器としてのデジタルカメラ時代の到来を意味している。このPTP/IP技術がデジタルカメラとプリンタ、そしてコンピュータ間の相互運用性の向上に貢献するものであると自負している。」と語っています。
一方、ISO写真規格標準化委員会の会長であるMichale Nier氏は、「現在PTP規格(ISO 15740)は、殆ど全ての新しいデジタルカメラへ採用されつつある。標準化委員会としても、映像技術開発会社、デジタルカメラメーカー、コンピュータメーカーが協力してこの最新技術の採用と標準化を提案し、デジタルカメラをより簡単により便利にする方向に向かっているという事実は喜ばしいことである。」とコメントしています。
また、Microsoft社ではこのPTP/IPを画像だけでなく、音楽ファイル、動画ファイル等も扱えるよう拡張したものをMTP(Media Transfer Protocol)と名付け、PTP/IPを包括すべく開発を進めています。ニコンはPTP/IPによって、このMTPをサポートし、コンピュータとの接続性が大きく向上する機器を用意していきます。
Microsoft社のWindows Media Divisionのバイスプレジデント Amir Majidimehrは、「Microsoftとニコンが共にMTPを使ったワイヤレス接続に向けて進むことは、画像転送とカメラ制御において先進的なリーダーと言えるだろう。」 「デジタル写真の転送のためにMTPを使用することは、プロカメラマンを含む全てのカメラファンのために今まで存在していた複雑さを取り除く素晴らしいアプリケーションになるだろう。」と語っています。
なお、ニコンではこのPTP/IP技術をカメラ・映像機器業界の標準規格として広く浸透させるために、今後CIPA(カメラ映像機器工業会)に働きかけをしていく予定です。
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