PRESS RELEASE/報道資料

ニコン独自の光学技術、色収差を良好に補正、レンズの小型化・軽量化を実現する「位相フレネル(PF)レンズ」の開発とテレコンバータの発売について

2004年9月16日


左:TC-E3PF 右:TC-E3ED

株式会社ニコン(社長:嶋村 輝郎)は、光の回折現象を利用し、結像性能を低下させる色収差を良好に補正、しかも、レンズの小型化・軽量化を実現する「位相フレネル(PF)レンズ」を独自に開発しました。

また、ニコンカメラ販売株式会社(社長:西岡 隆男)は、この「位相フレネル(PF)レンズ」を採用した小型・軽量のCOOLPIX用テレコンバータ「TC-E3PF」を発売する予定です。

新開発「位相フレネル(PF)レンズ」の特長

  • 色収差を良好に補正

    これまでカメラ用レンズなどに用いられてきた光学ガラスなどの素材とは大きく異なり、強力な色補正能力を持っています。

  • 小型化、軽量化に貢献

    屈折率の高いレンズほど色収差の補正が問題となり使用がむずかしいとされてきましたが、「位相フレネル(PF)レンズ」の強力な色補正能力と組み合わせることで使用が可能になります。また、「位相フレネル(PF)レンズ」の採用で、色収差を補正するためのレンズ構成枚数を減らすことも可能です。屈折率の高いレンズの使用、レンズ構成枚数の減少は、小型化、軽量化に大きく貢献します。

  • 量産性が高い

    シンプルな生産工程を開発し、大量生産が可能となりコストパフォーマンスにも優れています。

「位相フレネル(PF)レンズ」を採用した小型・軽量テレコンバータ「TC-E3PF」を発売

テレコンバータ「TC-E3PF」は、位相フレネル(PF)レンズの採用によって、従来の「TC-E3ED」と同等の高い光学性能を確保しながら、全長約18%、重さ約33%の小型・軽量化を実現しています。COOLPIX 8400(UR-E15併用)、COOLPIX 5000(UR-E6併用)、COOLPIX 4500、COOLPIX 4300(UR-E4併用)、COOLPIX 900シリーズに使用可能で、焦点距離を3倍に拡大します。

発売予定日:2004年12月発売予定 希望小売価格:未定

レンズ構成:3群6枚 大きさ(最大径 x 長さ):約φ61x 64.3mm 質量(重さ):約175g

開発の背景、色収差の補正について

カメラ用レンズをはじめ多くのレンズは、光の屈折現象を利用して、フィルム面などに像を結ばせています。光は、色(波長)の違いによって屈折する強さが異なり、レンズに近いほうから青(B)・緑(G)・赤(R)の順で結像します(図1)。このズレは色のにじみとなり、撮影された画像の劣化につながる「色収差」とよばれています。この色収差の発生を抑えるために、凸レンズや凹レンズを組み合わせ、レンズ構成で色収差を補正したり、レンズのガラス素材で色収差の発生の低いものを採用したり、さまざまな方法がとられてきました。

ニコンが開発した「位相フレネル(PF)レンズ」は、光の「回折現象」を利用したレンズで、屈折現象とは異なり、図2のようにレンズに近いほうから赤(R)・緑(G)・青(B)の逆順で結像します。この「位相フレネル(PF)レンズ」を、通常のレンズと組み合わせると色収差を相殺することが可能となり、強力な色収差の補正を実現することができます(図3)。

回折現象:光は波としての性質ももっています。波は、障害物に出会ったときにその影の部分に回りこむ性質を持っており、これを回折とよんでいます。回折は、屈折とは逆順に色分散が発生する特徴があります。

位相フレネル(PF)レンズの生産工程

生産工程は、ガラス素材のレンズ面にPGMを用いてミクロン単位の回析格子を設け、1層目の位相フレネル(PF)レンズを作成します(図1)。次に金型をセットし(図2)、ガラス素材と金型の間に光学樹脂を流し込み、2層目の位相フレネル(PF)レンズを成型します(図3)。ガラス素材と樹脂が一体化した密着タイプの位相フレネル(PF)レンズができあがります(図4)。

このシンプルな生産工程は、大量生産が可能となり、コストパフォーマンスにも優れています。

  • PGM(Precision Glass Mold):高温で加熱して軟化した光学ガラスに、特殊な耐熱材料でつくった非球面金型を高圧で押し付けて成形(モールド)します。

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