PRESS RELEASE/報道資料

液浸露光装置の製品化スケジュールについて

2003年12月1日

株式会社ニコン(東京都千代田区、社長:嶋村 輝郎)は、露光装置にかかわる液浸露光技術に関して、要素技術の実証性確認を終了しましたのでお知らせ致します。

半導体デバイスの更なる高速化、高集積化に伴い、半導体製造装置メーカーは開発を加速させております。リソグラフィー分野においては、次世代露光装置の開発が進められる一方、現在の先端技術であるArF露光装置を用いて、更なる微細化に対応するリソグラフィープロセスの提案も行なわれています。液浸技術を用いたArF露光は、各種プロセスをほとんど変更することなく高解像度を実現する画期的な手法として、多くの半導体メーカーからその実現に強い期待が寄せられています。

当社では、いち早く基礎開発に着手しており、実証性確認をおよそ半年にわたって行った結果、ArFの液浸露光について、その実現を妨げるボトルネックは発見されず、製品化に向けた開発ステージに移行することを決定しました。今後は以下のスケジュールに従い早期の量産対応機開発を目指します。

液浸露光技術を世界に先駆けて開発・製品化することにより、半導体デバイスの更なる微細化を可能にし、同時に半導体メーカーの効率的な設備投資に寄与することで、半導体産業の発展に貢献します。

【製品化スケジュールの概要】

2004年後半 ArF液浸露光の実用性評価(Engineering evaluation)のための装置を完成し、ユーザー評価を開始。現在販売を行っているArF露光機「NSR-S307E」をベースに開発し、投影レンズのNAは0.85。
2005年 初期量産用装置を完成。「NSR-S307E」の後継機種をベースに開発し、NAは0.92。
2006年 量産用装置の販売を開始。NA>1.0。

液浸露光技術

ステッパーの解像度は通常、

解像度=k(プロセス係数)×λ(光源波長)/ NA(開口数:投影レンズの明るさ)

で表され、光源の波長が短く投影レンズのNAが大きいほど高い解像度が得られます。ここでNAは、NA=n×sinθで与えられ、nは露光光が通過する媒質の屈折率であり、θは露光光が形成する角度です。通常の露光は大気中で行われますから、n = 1です。これに対し液浸露光技術は、投影レンズとウェハの間に、屈折率 n が1よりも大きな液体を満たす露光方式で、投影光学系のNAの定義において、NA=n sinθの、nを拡大することです。同一の露光光の光線入射角θでは、最小解像寸法を 1/n に縮小(改善)することができます(光学系NAのn倍の拡大の効果)。一方、従来と同一のNAにした場合は、θを小さくできるため、焦点深度をn倍に拡大(改善)することが可能です。光源にArFレーザを用いた露光では、投影レンズとウェハの間を、屈折率1.44の純水で満たします。顕微鏡では従来より用いられてきた方式ですが、液浸露光装置への本格的な検討は近年スタートしました。

ニコンは2003年6月より東京エレクトロン株式会社(東京都港区、社長:佐藤 潔)と共同で開発を行っております。


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