ニコンがデバイスメーカーの要望に応じ、70nmルールのクリティカルレイヤ露光工程の有力な選択肢:「電子ビーム投影露光(EPL)」の開発を加速・推進
2001年3月13日
株式会社ニコン(社長:吉田 庄一郎)のアメリカにおける研究開発の子会社である Nikon Research Corporation of America(NRCA)(米国 カリフォルニア州 ベルモント、社長:ギルバート・バーネル)は、
「ニコンが IBM 社(米国 ニューヨーク州)と共同で1995年にスタートした電子ビーム投影露光(Electron Projection Lithography (EPL) )の開発がさらに進展し、最先端デバイスの主要メーカー各社も、70nm(ナノメートル)ノードのクリティカルレイヤの露光のために、電子ビーム投影露光装置の実現を強く望んでいる」
と、平成13(2001)年2月22日に発表いたしました。
その発表のなかで、株式会社ニコンの 吉田 庄一郎 社長は、
「ニコンは、70nm のクリティカルレイヤ露光への顧客のニーズに応じるために、電子ビームステッパーの生産を加速する計画を進めております」
「既にIBM 社と共に、電子ビーム光学系の概念とデバイス量産対応の可能性については1998年に証明済み(proof of concept : POC)と1999年1月に報告しております」
「電子ビーム投影露光(EPL)は、35nm 以下の解像度をお客さまに提供できると思います」
と述べております。
「電子ビーム投影露光(EPL)」開発の現状と将来
最先端デバイス量産のために必要な「3D-CVAL(3次元曲線可変軸レンズ)」を含むプロトタイプ電子光学系のサブシステムの性能検証レポートは、2月25日からカリフォルニア州サンタクララにて開催の「SPIE Microlithography」会議にて発表いたしました。
IBM 社の半導体技術研究所で開発したプロトタイプ電子光学系のサブシステムは、すでにニコンの熊谷製作所(埼玉県 熊谷市)に導入・稼動中であり、それは開発中の電子ビームステッパーの商用初号機に組み込む予定です。
平成13(2001)年度第2四半期には、電子ビーム光学系の描写データ、平成14(2002)年度半ばには、システム全体を統合しての能力検証の報告が可能です。そして、平成16(2004)年度の第 4 四半期までには、量産用の EPL 装置の出荷を開始する予定です。
ニコンでは現在、その EPL のインフラストラクチャーを強化しています。それは、世界規模でのマスクメーカー、フォトレジストメーカー、デバイスメーカーとの共働を含んでおります。たとえば、マスクメーカーでは、EPL 用マスクの製造能力をすでに実証しています。HOYA 株式会社(東京都 新宿区 中落合2丁目)では現在、テスト用レチクルを第一世代のニコン電子ビーム投影露光システムに提供しています。HOYA やその他のマスクメーカー各社は、近い将来 EPL のための量産用マスクを提供できる予定です。
Semiconductor Leading Edge Technology(Selete)社の「半導体コンソーシアム」のメンバーは、「コンソーシアムを通して、ニコンの EPL 開発プログラムをサポートすること」に同意しています。テキサス・インスツルメンツ社(米国 テキサス州 ダラス)では、「可能になり次第、EPL 装置を使用したい」という考えです。
また、ニコンでは、レジストメーカーと共同で、従来よりも高感度の EPL 用のレジストの開発に取り組んでおりますが、当面はマスク製造用のレジストを EPL に使用することが可能です。このように EPL 用レジストの開発にメドが立っているということは、F2レーザ(波長:157nm)用レジストと極端紫外線(EUV)用レジストに比べて EPL のリスクが少ないことになります。
主要なデバイスメーカーのキー・パーソンは、70nm ノードのために、商業的に有用な EPL 装置の必要性について、以下のように述べています。
Agere システムズ社(米国 フロリダ州 オーランド)のデール・イボットソン(D. IBBOTSON)博士(VLSI 製造工程の開発リーダー)は、
「Agere 社は、次世代リソグラフィ(NGL)用として、EPL が実現することを信じています」「わたしたちは、技術革新のスピードと柔軟性、さらには低コストでのマスク製造が重要なポイントとなる通信用半導体の製造に、EPL が最適であると期待しています。わたしたちは、EPL 技術を工場に導入すべく、基盤技術を提供できるベンダーと協力していきたいと思っています」
と述べています。
そして、IBM 社のジョン・ワーロモント(J. WARLAUMONT)博士(半導体技術研究所のSilicon Technology 開発リーダー)は、
「わたしたちは、EPL を次世代リソグラフィにおける最有力候補のひとつと考えています」
と述べています。
INTERNATIONAL SEMATECH(米国 テキサス州 オースティン)のマーク・メイラー・スミス(M. Meilliar-SMITH)C.E.O. は、
「インターナショナル セマテックは、加盟企業の技術開発計画の重要テーマとして、次世代リソグラフィをここ数年サポートしてきました」「わたしたちの現在のプログラムは、EUV 露光と EPL をカバーしています」「次世代リソグラフィの商業化段階への移行をふまえ、わたしたちは半導体産業に必要不可欠な基盤技術のニーズを充分に支えていくことを約束します」
と述べました。
ニコンはまた、「半導体の国際技術ロードマップ(ITRS)」に沿って、最も経済的でタイムリーなリソグラフィ・ソリューションのための "ミックス・アンド・マッチ" を実現できるよう、EPL のみではなく、F2 レーザ(波長:157nm)露光と、EUV 露光の開発をも積極的に進めていくことを計画しております。
- Nikon Research Corporation of America(NRCA:米国 カリフォルニア州 ベルモント)は、半導体製造装置メーカーである株式会社ニコンの研究開発の子会社です。NRCA では、KrF レーザ(波長:248nm)、ArF レーザ(波長:193nm)、F2 レーザ(波長:157nm)レーザ、EUV、そして電子ビーム光源でのリソグラフィ技術について研究をおこなっています。
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