高密度8センチCD-Rの開発に成功、「スタンパー(金型原盤)」を販売
2000年12月18日

株式会社ニコン(社長:吉田 庄一郎)は、「高密度 8 センチサイズの CD-R」(写真:右)の開発に成功いたしました。
この CD-R は同サイズのものでは世界最高水準の記録容量 300MB (CD 録音時間 34 分)を誇り、現行の CD プレーヤーそして CD ライターと互換性があることも大きな特長のひとつです。ニコンは、この高密度 8 cm CD-R の製造に不可欠なニコンオリジナルの「スタンパー(金型原盤)※1」(写真:左) をディスク製造メーカーに販売することで、新たな事業機会の創出を図ってまいります。
- ※1「スタンパー」:
光ディスクの表面にはナノメートル単位の細い溝が刻まれている。光ディスクを射出成形機で製造する際に、この溝を形成する精密な金型原盤が「スタンパー」である。ディスクの品質を決める重要な原盤として、ナノメートルレベルの精度が要求され、その製造には、LSI 製造に用いられるのと同様なフォトリソグラフィ技術が用いられる。「スタンパー」は、数万回の使用で交換が必要な消耗品である。
開発の背景
記録メディアとして最も普及している CD-R※2 / CD-RW※3 は、現在、12 cm サイズが主流です。本年の総生産枚数は35 億枚になる見通しで、平成13(2001)年の需要は50 億枚になると予測されています。一方、依然として 3.5 (インチ)型フロッピーディスク(FD)は、20 億枚程度の市場をキープしており、記録型ディスク全体の世界需要は、70 億枚を超えるものと予測されます。現在、8 cm サイズそしてカード型の小径型 CD-R の市場は、CD-R 全体の約 10 % 程度ですが、高密度 8 cm サイズの CD-R は、フロッピーディスクと同等のサイズによる持ち運びの利便性、3.5 型 FD の300 倍もの記録容量、現行の CD ドライブとの互換性という特長を有し、FD に代わる記録メディアとして需要が高まることが予想されます。
- ※2「CD-R(Compact Disc Recordable)」:一度だけ書き込み可能な(=追記(レコーダブル)型)コンパクトディスク。駆動用ドライブは「CD-ROM」ドライブとの下位互換性を確保。
- ※3「CD-RW(Compact Disc Rewritable)」上書きが可能な(=書き換え(リライタブル)型)コンパクトディスク。駆動用ドライブは「CD-ROM」ドライブとの下位互換性を確保。
主な特長
従来の 8 cm CD-R の記録容量は、185 MB (CD 録音時間 21 分)のものが主流です。ニコンは、現行 CD ドライブにおける書き込み・再生の互換性を維持しながら、独自開発の新トラック構成を採用することで、高密度化に成功。従来品に比べ約 1.5 倍以上の記録容量 300 MB を実現しました。キーとなる新技術については、現在世界各地で特許を出願中です。8 cm CD-R の記録容量を、300 MB に高めることで、これまでと同様のデータの記録に加え、画像、音楽といった大容量データの用途においても標準の記録メディアになることが期待されます。動画データ(MPEG4※4)で約 1 時間、音楽データであれば(MP3※5)約 6 時間のデータが、1 枚の 8 センチCD-R に収まることになります。
今後の方針としては、高密度化を 350 MB (CD 録音時間 40 分)にまで実現していく予定で、さらに、4 ~10 倍速のハイスピードで書き換えが可能な 8 cm CD-RW でも、300 MB 以上に高密度化したものを開発していく予定です。
- ※4「MPEG4(Moving Picture Experts Group 4)」:動画像の圧縮規格のひとつ。
- ※5「MP3(MPEG1 / Audio Layer 3)」:音声信号の圧縮規格のひとつ。
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