国立天文台の大型光学赤外線望遠鏡「すばる」プロジェクトにニコン製観測機器

1999年11月17日


FOCAS(微光天体分光撮像装置)

株式会社ニコン(社長:吉田 庄一郎)は、国立天文台(東京都三鷹市)が "天文学研究の飛躍的な発展を遂げる" ことを目的として平成3(1991)年度から 9 年計画で米国ハワイ州ハワイ島マウナケア山頂において建設中の、口径 8.2 m を誇る大型光学赤外線望遠鏡「すばる」プロジェクトに参画し、いままでに「ImR(イメージロテータ)」※1、「ADC(大気分散補正光学系)」※2、「光学シミュレータ」※3、の機器群を納入、さらに、「FOCAS(微光天体分光撮像装置)」※4 、「HDS(高分散分光器)」※5の 2 つの機器も、現・インストルメンツカンパニー特機事業部にて製作、現在最終調整をおこなっております。

さて、国立天文台は9月17日、「すばる」の完成記念式典を開催、標高 4,200 m の山頂付近のドームにおけるこの式典には、弊社吉田社長も列席いたしました。

そして9月29日には、国立天文台の唐牛 宏(かろうじ ひろし)教授が来社され、同プロジェクト参画に対する感謝状の贈呈を弊社吉田社長が受けました。

なお、「すばる」は、これに先立つ今年1月29日には、ファーストライト(初観測)で、その大集光力と 0.2 秒角の高分解能、さらに近紫外から中間赤外までの広い波長域において世界最高水準の性能を有している旨を検証できており、現在は、さらなる微調整が進んでいます。予定では来12年度には本格運用・共同利用観測を開始するとのことです。


HDS(高分散分光器)

  • ※1「ImR(イメージロテータ)」:望遠鏡の周辺光学系。ナスミス焦点に結像する像の回転補正機構。
  • ※2「ADC(大気分散補正光学系)」:望遠鏡の周辺光学系。波長による大気の屈折率の違い(大気によるプリズム効果)を補正する機構。
  • ※3「光学シミュレータ」:望遠鏡のカセグレン焦点をシミュレートする装置。カセグレン用観測装置の試験・検査に使用。三鷹とハワイに 1 台づつ(計 2 台)を納入。「FOCAS」※4 などの観測装置は、まず、三鷹の「光学シミュレータ」に取り付けて試験・検査をおこなってからハワイに送り、現地でも再度試験・検査する。
  • ※4「FOCAS(微光天体分光撮像装置)」:光学系に高透過率の反射防止膜を施した屈折光学系を採用し、365 nm から 900 nm の波長域における分光観測で最大効率が得られるように設計した分光撮像装置。1)撮像、2)長スリット分光、3)多天体分光および4)偏光測光の 4 種類の操作モードを搭載。望遠鏡のカセグレン焦点に取り付けて使用する。
  • ※5「HDS(高分散分光器)」(写真右):300 ~ 900 nm の波長域での高分散光(0.38 秒角のスリット幅で波長分解能 100,000 )の分光性能を備えた装置。望遠鏡に 2 つあるナスミス焦点のうちのひとつに装備。

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