超小型モジュラー構造を実現「多回転アブソリュートエンコーダ MAR-M30」を6月1日発売
1999年4月8日

株式会社ニコンの子会社である株式会社ニコンインステック(東京都文京区後楽1丁目)は、同じく株式会社ニコンの子会社である株式会社仙台ニコン(宮城県名取市田高)が製造する、超小型モジュラー構造を実現し、小型 AC サーボモータへの搭載にも最適なタイプのロータリーエンコーダ、「多回転アブソリュートエンコーダ MAR-M30」(価格 9,000 円程度(1,000 台 / ロット時)を開発、1999(平成11)年6月1日から販売(サンプル販売は5月1日より開始)いたします。
なお、本商品は「第17回 '99 モータ技術展」(4月14~16日 於:日本コンベンションセンター(幕張メッセ))に出展いたします。
開発の背景
光電式ロータリーエンコーダは、回転体の軸の回転角度や回転数をデジタル量として検出するために用いられる計測器の一種です。モータの位置・速度を検出して制御部に情報を伝達するセンサとしても普及しており、ロボットそして工作機械など各種産業機械の分野で幅広く使用されています。最近では、従来のインクリメンタル(相対位置検出)タイプ※1 に加え、電源 ON 時に原点復帰(リセット)作業をせずともエンコーダの絶対位置を認識でき、作業の効率化を図ることができるアブソリュート(絶対位置検出)タイプのロータリーエンコーダの需要が大きく伸びてきています。
ニコン・グループでは、1990(平成2)年に独自の M 系列※2 ワントラックアブソリュートパターン※3 を採用した「多回転アブソリュートエンコーダ※4MAR-H10」を発売してアブソリュートエンコーダ市場に本格参入して以来、お客さまがアプリケーションに応じて選択できるべく商品ラインナップを拡充してまいりました。今回、株式会社ニコンインステックが発売する「多回転アブソリュートエンコーダ MAR-M30」は、小型化が進む AC サーボモータに対応する機種で、外径 φ35mm という超小型サイズを実現、さらに、独自の光学設計でモータの駆動軸に直結できるモジュラー構造を実現しています。また、「MAR-M30」は、一回転内分解能を最大17ビットにまで高分解能化し、さらには、複数の通信フォーマットを搭載することで、さまざまなアプリケーションに対応しうるエンコーダです。
- ※1「インクリメンタル(相対位置検出)タイプ」:モータなどの累積回転数の情報を、スタート時点(原点)からの積算量で検出する方式。そのため、システムの電源 OFF 時には情報がリセットされてしまい、再スタートの際には、各軸をスタートの位置に戻すなどの原点復帰作業が必要となる。
- ※2「 M 系列」:最大周期系列の略称。バーコードパターンのような「 0 」と「 1 」のマイクロパターンを、パルス円板上に不規則に形成する。この「 M 系列」のマイクロパターンを長手方向に読み取る場合、エンコーダが 1 回転する間、すべての位置でパターンが異なる特長がある。
- ※3「ワントラックアブソリュートパターン」:絶対位置を検出するためのパルス円板上のマイクロパターンを、1 本のトラックで構成しているもの。
- ※4「多回転アブソリュートエンコーダ」:一回転内の角度だけでなく、回転数の現在位置をも常に絶対位置として検出できるエンコーダ。通常のアブソリュートエンコーダでは識別が不可能な、異なる回転数の同角度の 位置=たとえば " 1 回転めの 100 の位置" と " 2 回転めの 100 の位置" を、多回転アブソリュートエンコーダならば識別することができる。
主な特長
- 超小型モジュラー構造を実現
ニコン独自の M 系列を応用したアブソリュートパターン技術と優れた光学設計によって、外径 φ35mm、高さ 25mm という超小型化を達成。小型ロボットやマウンタに使用されている小型 AC サーボモータへの搭載に最適な形状を実現しています。また、エンコーダ本体をモータの駆動軸に直接取り付けるモジュラー構造を採用。取り付け部の省スペース化を図ることができ、さらに、耐振動性などの信頼性も向上しています。
- 高分解能を実現
一回転内分解能 最大 17 ビット(217 : 131,072 P / R (分割 / 回転))の高分解能を実現しました。精密な位置決めが可能となり、さらにフルシリアル通信時の速度制御の安定性向上にも貢献します。
- 通信フォーマットを複数搭載
複数種類の通信フォーマットを搭載し、お客さまのさまざまな用途にも容易に対応することが可能です。
- 主電源 OFF 時にも高速応答・低消費電流
バッテリバックアップ(=主電源 OFF )時にも、主電源 ON 時と同じく 6,000 rpm.(回転数 / 毎分)以上の高速応答が可能。しかも角速度制限なし。また、多回転部には、バックアップ時の消費電流が少ない「磁気エンコーダ」方式を採用しているため、外部電池の耐久性が向上します。
主な仕様
| MAR-M30 | ||
|---|---|---|
| 分解能 | 一回転部分 | 最大17ビット(217 : 131,072 P / R) (通信フォーマットによって異なります) |
| 多回転部分 | 最大16ビット(±215 : -32,768~+32,768 回転) (通信フォーマットによって異なります) |
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| 応答回転数 | 6,000 rpm.(主電源 ON 時・OFF 時とも) | |
| 電源 | 主電源 | 5 V DC |
| バックアップ電源 | 3.6 V DC | |
| バックアップ電源使用時 消費電流 |
25μA(エンコーダ停止時) | |
| 内蔵コンデンサでの 保持時間 |
初期 4 時間以上 | |
| 通信仕様 | 二層矩形波付通信フォーマット、フルシリアル通信フォーマットなど、複数の主要な通信フォーマットを搭載 | |
| 寸法(約) | φ35×25 mm | |
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