高スループットで、高精細大型LCDの製造を可能にするニコン液晶ディスプレイ用新露光システムの開発について
1998年10月

株式会社ニコン(社長:吉田 庄一郎)は、高精細な大型液晶ディスプレイの製造を、より高い生産性で実現できる新露光システムの開発に成功いたしました。
このシステムは、液晶ディスプレイ(LCD)の回路パターンを、現在主流となっているステッパー(投影逐次露光)方式で露光・転写するのではなく、複数(イメージイラストでは 7 本)の投影レンズで構成した新光学系を用いて、30型クラスまでのディスプレイを焼き付ける新しい方式です。
今後拡大していくと予測されている大型ディスプレイの市場動向を考慮しつつ、将来の露光装置としての商品化を検討していく予定です。
なお、今回開発の新露光システムは、「LCD / PDP International '98」(於:幕張メッセ 10月28日~30日)」の併設セミナーにて、技術発表いたします。
開発の背景
ノートパソコン用のディスプレイとして市場を確立してきた TFT(Thin Film Transistor)方式アクティブマトリクスカラーLCDは、新たな応用分野として、10~15型クラスのLCDパネルを利用したテレビモニタにも採用されるなど、30型クラスまでの壁掛けテレビをも視野に入れた開発が進んでいます。
今回開発に成功した新露光システムは、複数(イメージイラストでは 7 本)の投影レンズで構成した光学系を用いることで、今後需要の増加が予想される30型クラスの大型液晶ディスプレイの回路パターンを、高い生産性で焼き付けることを実現しております。
現行の一般的な露光システムに比べ、約 40 % のスループット向上(550×650 mm2 基板換算)を可能にいたしました。
今後の市場の動向を考慮しつつ、商品化の検討を進めます。
主な特長
- スループットを飛躍的に向上
複数本のマルチレンズで構成する新開発の光学系を採用した露光システム。
550×650 mm2 の大型ガラス基板を、焼き付けるパネルサイズにとらわれることなく、1枚当り45秒で露光。
現在、唯一、30型クラスの大型液晶ディスプレイの製造が可能な、弊社のステッパー方式の露光装置=「ニコン液晶ディスプレイ用露光装置FX-701M」との比較において、約 40 % のスループット向上を実現。 - 30型クラスの大型ディスプレイに対応
550×650 mm2 の広い範囲を、分割することなく露光可能。
- 広い露光範囲と高解像度の両立を実現
マルチレンズ光学系の搭載で、上記のような広い範囲の露光でも、従来から定評のあるステッパー方式の露光装置と同様に、2.4 マイクロメータ以下(孤立パターン時)の高解像度を維持。
主な仕様
| 解像度 | 2.4 μm以下(孤立パターン), 3μm以下(L/S) |
|---|---|
| 処理時間 | 45秒 / 枚(550×650 mm2 ガラス基板) |
| 投影倍率 | 1.0倍(等倍) |
| 最大プレートサイズ | 550×650 mm2 |
| マスクサイズ | 620×720 mm |
- こちらに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。販売が既に終了している製品や、組織の変更等、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
