SPMと生物顕微鏡の一体化を実現!走査型プローブ顕微鏡「BioProbe」を6月1日発売

1997年5月


 株式会社ニコンは、光学式の生物顕微鏡と組み合わせて使用でき、通常の顕微鏡観察をおこないながら、高解像度の SPM 像も得られる走査型プローブ顕微鏡「BioProbe(バイオプローブ)」(価格 1,700 万円~(基本ユニットのみ:消費税別))(写真:上)の販売を、平成9(1997)年6月1日より開始いたします。

 「BioProbe」は、株式会社ニコンが、米国 Park Scientific Instruments社 (社長:Dr. Stan YARBRO)より日本総代理店として輸入し、国内で販売する商品です。

発売の背景

 走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、試料の表面を、尖鋭化した探針(カンチレバーに付したプローブ)で走査(スキャン)し、プローブと試料の間に働くさまざまな力--電流(トンネル電流)、原子間力、磁気力など--の相互作用を精密に測定することで、試料表面の形状や物性などを捉え、三次元の画像を得ることができる装置です。

 分子・原子レベルでの観察・加工の重要性が高まる中、さまざまな分野において SPM は注目を集めております。

 ニコンは平成6(1994)年、米国 Park Scientific Instruments 社と提携し、同社製SPM「AutoProbe」シリーズの国内販売を開始、以来、企業の技術評価部門や研究開発部門を中心に高い評価をいただいてまいりました。

 一方、生物、医学分野においても、「蛍光、位相差、DICなど、生物顕微鏡ならではのさまざまな高度な観察法をおこないながら、同時に高解像度のSPM像を得ることはできないものか」というニーズが生まれてきました。

 今回発売する「BioProbe」は、そういった要望にお応えすべく、最先端の生命科学分野をターゲットに開発した研究用走査型プローブ顕微鏡です。

主な特長

  • 光学顕微鏡との併用が可能(写真:下)

     超薄型タイプなので、倒立顕微鏡のステージ上に容易に装着でき、完全に一体化させた形での使用が可能。

     試料のどの部分をプローブで走査(スキャン)するかを、光学顕微鏡の視野内で実際に確認して位置決めできます。

     また、生物試料(標本)を光学顕微鏡で観察しながら、同時にSPMによる三次元像を得ることができます。

  • 生物顕微鏡のアクセサリが使用可能

     「BioProbe」装着時に、蛍光、位相差、DICなどの検鏡法、そしてマイクロマニュピュレータなどのアクセサリもそのまま使用できます。各種の観察法を中断することなく、SPM像を得られます。

  • 7種類の測定モード

     1.) コンタクト、2.) ノンコンタクト、3.) インターミッテントコンタクトの 3 つの AFM(原子間力顕微鏡)の他、 4.) LFM(水平力顕微鏡)、5.) FMM(フォースモジュレーション)、6.) PDM(位相検出顕微鏡)、7.) MFM(磁気力顕微鏡)の各測定モードに切り換えが可能。試料の種類や用途に応じて使い分けできます。

  • 超高解像度のSPM像

     米 PSI 社の特許であるクローズドループ式の走査制御システム「ScanMaster」を標準装備し、高精度で信頼性のある画像を分子スケールで得ることが可能。

  • 試料の取り扱いが容易

     標準スライドガラスまたは60mm径のシャーレ(ペトリ皿)を使用して、ほとんどの試料(標本)を特別な前処理なしに、観察可能。また、液中、大気中でのin-situ(その雰囲気のままでの)観察も可能。

  • 優れた操作性

     Windows 95 対応の専用ソフトを装備。簡単な操作で SPM 測定が可能。

主な仕様

  • スキャナ

    最大走査範囲:(X-Y)100 x 100μm, (Z)10μm
    必要な光学系作動距離(W.D.):20mm以上
    スキャナ湾曲:3nm未満(走査範囲100μmにつき)
    Zノイズレベル:0.8ÅRMS未満
    走査直線性:1%以下
    制御分解能:(X-Y)0.2Å,(Z)0.03Å

  • 液中セル「MicroCell(R)」:深さ7.5mmまで浸水可
  • 「Picomotor」により、自動接近/手動接近
  • ステージ:ニコン倒立顕微鏡「ECLIPSE(エクリプス) TE」シリーズおよび「DIAPHOT(ダイアフォト)」シリーズに対応可能(その他、各社倒立顕微鏡にも対応可能)

    標準スライドガラス、シャーレ(60mm径まで)が使用可能

  • コントロールシステム

    コンピュータ
    CPU:Pentium 133MHz
    メモリ:16MB
    ハードディスク:1.2GB
    ビデオキャプチャーボード標準装備
    モニタ
    17型高解像度、画像解析、SPM像に適した高画質
    DSPコントロールによるクローズドループ走査制御システム「ScanMaster」搭載

パーク・サイエンティフィック・インスツルメンツ 社の概要

社名 Park Scientific Instruments
設立 1988年
社長 Dr.Stan YARBRO(スタン・ヤーブロ)
所在地 米国カリフォルニア州サニーベール市
従業員 約70名
会社概況 SPMの研究に携わってきたスタンフォード大学の研究者が設立。以来、大気中・真空中の各種SPM「AutoProbe」シリーズおよびカンチレバー(プローブ)を開発、製造、販売して現在に至る。

  • こちらに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。販売が既に終了している製品や、組織の変更等、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。