ニコンステッパー「NSR」シリーズ販売5,000台達成

1997年1月

 株式会社ニコンは、平成8(1996)年12月にステッパー(逐次移動式投影露光装置)「NSR」シリーズの累積販売台数 5,000 台を達成いたしました。

 IC は「産業のコメ」ともいわれ、現代社会に必要不可欠な存在です。

 世界シェアNo. 1 の実績を持つ「NSR」シリーズは、国内のみならず米国、欧州、アジア等世界の半導体メーカーに納入し、常に最先端IC製造のかなめの装置として活躍してまいりました。

 また最近では、ノートパソコン用の表示パネルに代表される高精細な液晶ディスプレイ(TFT方式 LCD)の製造、そしてパソコンの記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)の、記憶容量増大に欠かせない高性能磁気ヘッド(MH)の製造にも、ステッパーが使用されています。

  • 累積台数 1,000 台=1987年 8 月
    累積台数 2,000 台=1989年 9 月
    累積台数 3,000 台=1992年 9 月
    累積台数 4,000 台=1995年 3 月
    累積台数 5,000 台=1996年12月

NSR (Nikon Step and Repeat exposure system) 概要

 IC の製造にはさまざまな装置が必要ですが、その高集積化のカギを握る装置がステッパー(逐次移動式投影露光装置)です。極めて微細な回路パターンを転写する露光工程(リソグラフィ工程)で使われます。

 回路パターンの原版にあたるレチクルに光をあて、そのパターンを縮小投影レンズで縮小。IC の基板となるシリコンなどの薄板=ウェハを載せたステージを移動させながら、ウェハ全面に回路パターンを繰り返し露光転写する装置です。

 ステッパーの登場で、256キロビット以降の超 LSI の製造が可能になりました。また最近では、ノートパソコン用の表示パネルに代表される高精細な液晶ディスプレイ(TFT 方式 LCD)の製造や、パソコンの外部記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)の、記憶容量増大に欠かせない高性能磁気ヘッド(MH)の製造にもステッパーが使用されています。

 IC 製造用のステッパーの原理は、ちょうど写真の引き伸ばし機の反対の方法ですから複雑ではありません。しかし縮小投影レンズの加工やウェハを載せるステージの制御技術など、ステッパーは最先端技術の結晶であり、「史上最も精密な機械」とも呼ばれます。

 以下にその驚異的な性能の一部をご紹介いたします。

  • 投影レンズの表面精度の誤差は、直径20cmで10nm(ナノ=10億分の1)以下。これは東京ドームのグラウンド上に、わずか 0.006mm(=6μm)の凹凸しかないことに相当します。
  • ウェハを載せるステージは、X 方向(左右)に動く「X ステージ」と Y 方向(前後)に動く「Y ステージ」を積み重ねてできています。この両ステージの直交度(真の直角との誤差)は、20cmの移動距離で角度にして ±0.2 秒以下。これは、東京から約100km離れた富士山に矢を放った場合、山頂に置いた直径10cmのリンゴに矢が命中することを意味します。

 昭和55(1980)年、ニコンステッパーの第1号機「NSR-1010G」を発売以来、IC の集積度の進展や先述の TFT 方式の液晶ディスプレイなどの登場に伴い、ステッパーの販売は上昇を続け、昨平成8(1996)年12月に累積販売台数が 5,000 台に達しました。

 なお、このうち、95 % 以上のステッパーは今でも現役で世界各地の工場で稼働しております。


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