精機カンパニー

2011年12月1日現在

事業概況

主要製品

半導体露光装置/液晶露光装置

業績推移(連結)

売上高売上高2011年3月期は、2,086億円

営業利益営業利益2011年3月期は、27億円

市場環境と事業動向

半導体関連は、一部デバイスメーカーの設備抑制による市況の悪化が懸念され、液晶関連は、大型パネル向けの設備投資が冷え込む一方、中小型パネル向けの設備投資は引き続き堅調を維持するものと見込まれます。

ニコン半導体露光装置光源別販売比率2011年3月期は、i線28%、KrFエキシマレーザ21%、ArFエキシマレーザ2%、ArF液浸49%

半導体露光装置世界シェア台数ベース(2011年3月期)ニコンのシェアは、20%

平成24年3月期第2四半期決算関係データ(2011/11/4)

ニコンの露光装置販売台数と予想

  • 半導体露光装置機種別
  • 液晶露光装置世代別

事業戦略

精機カンパニーでは重点施策として、液浸露光装置の競争力向上によるシェア拡大、高精細化ニーズに対応した液晶露光装置の展開、リードタイム短縮・コストダウンによる収益力強化、新技術の開発・新事業分野への進出をしていきます。

カンパニープレジデントに聞く

牛田 一雄
取締役兼専務執行役員
精機カンパニープレジデント

Q1:精機カンパニーの2012年3月期上期の業績と主な活動は?
A1:
半導体関連分野及び液晶関連分野のいずれにおいても、前期に引き続きメーカー各社の設備投資が堅調に推移しました。このような状況の下、半導体露光装置分野では、ダブルパターニング※1に対応した最先端のArF液浸スキャナー「NSR-S620D」を中心に拡販に努めました。液晶露光装置分野では、スマートフォン・タブレット端末などに用いられる高精細な中小型液晶ディスプレイの製造に最適な装置が好調に推移し、第8世代のプレートサイズ対応機種も売上げを伸ばしたほか、新製品の開発にも注力しました。

また、事業全体を通じて工期短縮やコスト削減など、事業体質強化への取り組みにも継続して努めました。これらの結果、当事業の売上高は1,248億16百万円、前年同期比54.6%の増加、営業利益は232億69百万円(前年同期は47億30百万円の営業損失)となりました。

  • ※1ダブルパターニング:微細かつ密集度の高い回路パターンを、2つの密集度の低いパターンに分割し、2回に分けてパターンを形成することで、最終的に微細かつ密集度の高いパターンを実現する技術。
Q2:半導体露光装置において最新モデル「NSR-S620D」を中心とする取り組みは?
A2:

半導体露光装置では、ArF液浸スキャナーが圧倒的に高い付加価値を提供することができるため、その性能とシェアを高めることが最優先の課題です。

2012年3月期は、ArF液浸スキャナーの販売台数は若干減少する見通しですが、従来モデル「NSR-S610C」から競争力の高い最新モデルの「NSR-S620D」への移行が進み、ArF液浸スキャナーの大半を占めるようになります。これにより、この分野での収益性が飛躍的に改善し、精機カンパニー全体での増収および大幅増益に大きく貢献できると見込んでいます。

「NSR-S620D」に関しては、すでに2011年2月の時点で、1時間当たり200枚のウェハ処理能力、重ね合わせ精度2.5nmを達成したほか、お客様のプロセスに合わせた条件下において1日当たり3,000枚超のウェハ処理を実現しました。このように、お客様のニーズに対応しながら、性能を高めていくことができれば、今後はさらに高い収益を追求できると考えます。

また、現在、生産工程でのリードタイム短縮にも取り組んでいます。具体的には、これまで12ヵ月かかっていたArF液浸スキャナーの製造リードタイムを、2012年3月期中に6ヵ月に半減させます。これにより、在庫リスクの軽減とお客様ニーズへの迅速な対応を両立できるとともに、コストダウンによる収益力強化につながります。

今後の製品戦略に関しては、22nm世代までは液浸ダブルパターニングが現実解で、16nm世代でも液浸ダブルパターニングの拡張技術を有力な候補と見ており、これらの開発に注力します。16nm世代でのもう1つの候補であるEUVL※2については、当面は最も重要な光学系の開発に絞る計画です。16nm世代の半導体製造は、2016年頃に始まり、本格的な量産は2018~2019年頃になると見ています。

  • ※2EUVL技術:極端紫外線リソグラフィー(Extreme Ultra Violet Lithography)は波長の短い極端紫外光を用いた次世代技術。
Q3:液晶露光装置の市場動向およびニコンの販売見込みは?
A3:

液晶露光装置市場(台数ベース)は、2012年3月期については前年比ほぼ横ばいの見通しですが、スマートフォンやタブレット端末用パネルの需要は引き続き強く、中小型の高精細パネル用露光装置が主流を占めると見ています。

当社は、この分野の装置を得意としており、さらなる高性能を求めるニーズにも十分に対応することが可能です。そのため、2012年3月期は、当社の高精細・中小型パネル用装置の販売台数が大幅に増加すると見込んでいます。

一方、大型液晶テレビ向け装置市場は、2012年3月期はこれまでの急成長に対する反動が見込まれています。しかし、2013年3月期以降は、テレビの買い換え需要などによりさらなる大型化が進み、装置需要が再び活性化する可能性もあると考えます。

Q4:精機カンパニーが持つ強みや可能性とは?
A4:

2011年3月期には営業利益で600億円以上もの改善で黒字化を果たし、2012年3月期も大きな増益を見込んでいます。しかし、この程度の改善で満足しているわけではありません。ニコンには、さらなる収益拡大を達成するのに十分なポテンシャルがあります。

たとえば、当社のArF液浸スキャナーでは、ステージシステムにシングルステージからタンデムステージという新しい技術を採用したことにより、処理枚数と重ね合わせ精度の向上を両立できるという優位性があります。また、液晶露光装置には、マルチレンズ方式と呼ぶ技術の採用により、解像度を落とすことなくガラスプレートのさらなる大型化に容易に対応できるという優位性があります。こうした優位性を最大限に引き出しながら、競争力のいっそうの強化に取り組んでいきます。