ニコン・チュラロンコーン奨学生制度 / 第1期生が大学院を修了
ニコン・チュラロンコーン奨学生制度の特徴は、奨学金を授与するだけではなく、奨学生とコミュニケーションを図り、信頼関係を築きながら運営しているところにあります。例えば、住み慣れない地での家探し、受験のアドバイス、日本語理解で困ったときのサポートなどを行っています。また、奨学生の状況を把握するため、奨学生全員を集めた近況報告会を年3~4回実施しています。
2011年3月期は、2009年に大学院に入学した2名がこの制度からの初めての卒業生として大学院を修了しました。
2011年3月4日にはニコンを訪問し、会長、社長、副社長に卒業を報告。また、同年4月5日には彼らの母校であるチュラロンコーン大学にて卒業祝いを行い、チュラロンコーン大学学長をはじめ、この制度の関係者8名が出席しました。

ニコン本社訪問の様子

チュラロンコーン大学での卒業祝い
卒業生紹介

クンランパー・ワラシー(Kulrumpa Worasri)さん
大阪大学大学院修士課程言語文化研究科を修了
社交的で笑顔の絶えない明るい性格。日本が好きで勉強を始めたが、日本食はどうしても好きになれない。タイ料理が好き。
入学時の夢:母国で日本語の教師になること

ニリン・スアロッド(Nirin Suarod)さん
東京大学大学院修士課程工学系研究科精密機械工学専攻を修了
思いやりのある優しい性格。ニコンデジタル一眼レフカメラD90を愛用。旅行先で写真を撮ることが好き。
入学時の夢:革新的なものを創り出し母国に貢献すること
卒業生インタビュー
ニコンで卒業報告をしたクンランパーさんとニリンさんに、日本での留学生活や今後の目標を聞きました。
※インタビュー日:2011年3月4日
Q1. 2年間大学院に通っていかがでしたか? 日本語は話せるようになりましたか?
クンランパーさん: 良い友達がたくさんでき、2年間とても楽しく過ごしました。日本語能力は、大学院で日本語の背景や、独自の使い分けなど多くのことを学び上達しました。また、人と会うこと、話すことが好きな私は、休みの日も大学に行き、積極的に人と触れ合ったことで、さまざまな日本語表現を学ぶことができました。
ニリンさん:
研究が忙しく、実験室に寝泊りすることもありましたが、楽しかったです。日本語は、研究や授業は英語ですが、研究室のメンバーや大家さんとは頻繁に日本語で話していたのでとても勉強になり、日常生活に困らないレベルで話せるようになりました。
また、留学生4人が大家さんと共同生活する「留学生の家」に住んでいたので皆で食事をしたり、ホームパーティーをしました。家庭的な雰囲気の中での生活は、日本に家族がいるようで大変心強かったです。
Q2. 大学院では、どんな研究をしましたか?
クンランパーさん: 大阪大学の大学院で日本語教育学を専攻し、日本語について研究しました。 卒業時には、『断りメールの書き方』というテーマで、100枚以上の修士論文を書きました。日本に留学できたことにより、日本の文化や人それぞれの考え方についても視野も広げることができたと思っています。
ニリンさん: 東京大学の大学院で精密機械工学を学び、人の表情を認識して気持ちを読み取る装置の研究をしました。研究成果がサービス業などの発展に結びつけばと思います。
Q3. 将来の夢はなんですか?
クンランパーさん: 将来は、母国の大学で日本語教師になりたいと思っています。日本語の教師になれたら、日本語を教えるだけでなく、日本の文化や習慣、さらに状況によって変化する言葉の意味やニュアンスなども伝えたいです。それぞれの生徒の背景や気持ちも理解して、生徒をサポートできる教師になれたらと思います。
ニリンさん: 将来は、タイの技術力向上に貢献したいと思っています。卒業後は、まずは日本で4、5年仕事をして、スキルをつけたうえで、タイの企業に就職したいと思っています。

クンランパーさん(左)とニリンさん(右)

「留学生の家」でのホームパーティー

ニリンさん撮影の写真(葉書)

ニコン役員と記念撮影
卒業後の進路
インタビューをした時点では、卒業後の予定が明確になっていなかった2人。後日改めて卒業後の進路を聞きました。
クンランパーさん: 日本の博士課程で継続して勉強することも考えましたが、タイの大学で日本語の教師をしています。毎日、問題文の作成や、授業の準備で忙しい日々を送っていますが、とっても充実しています。
ニリンさん: 現在は、日本の投資信託企業でソフトウェア開発の仕事に携わっています。まだ勉強中の身ですが、これからもいろいろなことに挑戦していき、最終的にはタイ企業に就職し、母国に貢献できるような人材になりたいと思っています。
ニコン・チュラロンコーン奨学生制度第1期生として卒業生を送り出すことができたのは、チュラロンコーン大学、ニコンにとって大変喜ばしいことでした。今後も卒業生と定期的に連絡を取り合い、継続して彼らの活躍を応援します。
