森林再生活動「富士山の森づくり」プロジェクトへ参画
食物、衣服(天然素材)、木材や化石燃料にいたるまで、また、森林や海における二酸化炭素の吸収や気候の調整など、私たちは、自然からのさまざまな恩恵(生態系サービス)を受けて暮らしています。
その生態系サービスの基盤となる生物多様性*1保全の取り組みのひとつとして、富士山の森林再生の支援を行うとともに社員ひとりひとりがボランティア参加し生物多様性保全への理解を深める場として「富士山の森づくり」プロジェクト~協働による100年の森づくり~に参画しています。

- *1「生物多様性」とは、さまざまな生物種とその生息環境などが豊かでバランスのとれた状態にあることで、遺伝子の多様性をも含めた、幅広い概念で語られています。
森林が抱える状況に手を加えることで変化に強い森をつくる

日本は森林が国土の67%を占め、その4割にあたる人工林の荒廃が大きな問題となっています。富士山の森づくりプロジェクトの対象地も、2002年に病害虫の大規模な被害が発生した人工林の森です。単一樹種で構成された森は、生産・経済性という点では優れているものの、遺伝子の多様性がなく、病害虫や環境の変化(異常気象)などの影響を受けることによりすべてが絶滅する危険性があります。プロジェクトでは、その人工林を列状に間伐した上で本来富士山に自生する多様な広葉樹種を植栽(人工更新)することで、確実に、早く、環境の変化に強い針広混交樹林への「天然更新*2」を促します。
- *2周辺の樹木から飛来し落ちた種子が、発芽し成長していくことを利用した森の再生のこと。
多様なメンバーによる協働プロジェクト
「富士山の森づくり」は、公益財団法人オイスカ(会長:中野良子)が企画し、山梨県や複数の企業・市民・団体などが参加する森林再生プロジェクトです。多様な主体が協力し合うことで目標や手法を統一することができ、広大な範囲をより早く公益的機能の高い森林として再生させることができる協働プロジェクトとなっています。参画団体で組織する推進協議会では、定期的な勉強会やモニタリング調査報告会を行うことでプロジェクトへの理解を深めています。

社員ボランティアが参加しての植林活動
2011年の植林活動は、ニコングループ社員とその家族87名が参加し、5月28日に行いました。
当日は、季節はずれの台風の影響で雨の中、参加者が協力して1.0ヘクタールに富士山の天然林を種子源として大切に育てられた苗木1000本の植林を終えました。

鹿の食害から苗木を守る生分解性プラスチック製のウッドガードを設置(2011年5月)

指導員からの技術指導を受けるボランティア(2010年5月)

自然に芽吹いた針葉・広葉樹の幼木や山野草をよけながらの下草刈り(2009年8月)
2007年から始まった「富士山の森づくり」プロジェクトは5年目を迎えた2011年、対象面積への植林活動を完了しました。これからは苗木を守り育てる育林活動へと移行し、活動を継続していきます。
2008年植林活動に参加した子どもたちの感想文

「富士山の植林に行って」
小学5年生 女子
私は、富士山の植林に行って、楽しかったことをしょうかいします。
私は、お父さんが働いている会社で、富士山の森を植林する活動に、参加しました。
私と祐生とお父さんとおばあちゃんとで、行きました。
富士山の観こうバスに乗って行きました。
バスの中で、お姉さんが、熱帯雨林の話をしてくれました。なので、熱帯雨林のことが、よく分かりました。
さらに、よほうでは、大雨だったのに、きれいに、富士山が見えました。
落ち葉や、小えだがたくさんあるしゃ面に木を植えました。とてもむずかしかったです。それに、植林している間は、あまり雨がふりませんでした。うれしかったです。富士山で木をうえていたら葉っぱのにおいがしました。
木を植えたあと、みんなでバーベキューをしました。やきそばも作りました。
やきそばを作ってついでいるとちゅう、できたてのやきそばが手にのっかってあつかったですけどやきそばがもったいないのでがまんしました。
これからも、自然をとても大切にしていきたいです。(原文のまま)
「富士山の森づくり感想」
中学1年生 男子
ぼくはこの、「富士山森づくり」をやって、よかったと思います。
今では、地球温暖化が問題になっています。森がなくなってきているのが、ひとつの原因と、聞いた事があります。
木は、二酸化炭素を、すって、酸素を、出してくれるので、地球にとって、大切な役割をしてくれると思っています。今回苗を、植えたけれど、大雨等で、土砂くずれになったらせっかくの木が大無しになってしまいます。
苗が大きくなるまで何十年もかかると聞きました。ぼくが、いつも使っている紙も木から出来ています。だからむだな使い方は、やめようと思いました。今日、植えた苗が、大きくなったのを、また見に行きたいです。(原文のまま)
2009年下草刈り活動に参加した子どもたちの感想文
小学3年生 女子
夏休みの思い出は、ボランティアで富士山の下草かりをしたことです。
8月8日、お父さんとボランティアの30人で富士山の下草かりに行きました。
4班に分かれて下草かりをしました。
わたしは2班でした。
かまを使うので、他の人を、きずつけないか少し不安でした。
わたしと同じ三年生がいたの、安心しました。
もも色をした花のホタルブクロ、大きくてきれいなアザミ、若葉が赤みを帯びているミヤマハンノキを見ることができました。
次は富士山に山ハンノキを、うえるお手伝いをしたいです。(原文のまま)
小学4年生 男子
8月8日ぼくは、去年植林した所の草かりに行きました。初めてかまをもって草をかりました。大きいハチがいました。 またらい年参加したいです。
ボランティア活動に参加した社員ひとりひとりが、仲間や家族とともに苗木の生長を見守る貴重な経験を通じて、あらためて生物多様性や環境保護についての認識を深め、さらには、日常の生活の中でもそれを生かすことができるよう期待しています。
ニコンは、今後も「富士山の森づくり」プロジェクトをはじめとする生物多様性保全の活動に力を入れて行きます。
プロジェクト概要
| 実施場所 | 山梨県鳴沢村富士山地内県有林 (標高1,600メートル、対象面積約 100ヘクタール、内植栽面積 40ヘクタール) |
|---|---|
| 活動形態 | 山梨県、林業関係者、企業・団体(8社)などの協働 |
| 活動内容 | ボランティアによる植栽および下草刈りなどのメンテナンス 専門家による保育、保全活動(下草刈り・間伐を長期的に実施) |
| 植林樹種 | 富士山自生の広葉樹(ミズナラ、ブナ、イタヤカエデ、ヤマハンノキ、ヤマザクラ) |
公益財団法人オイスカ
外務省・農林水産省・経済産業省・厚生労働省所管公益法人
