原 直久

写真家が自ら語る”5枚”の写真
  • 写真:原 直久 作品1
  • 写真:原 直久 作品2
  • 写真:原 直久 作品3
  • 写真:原 直久 作品4
  • 写真:原 直久 作品5

作品の写真をクリックすると詳細ページを表示します。

作者による作品紹介

イタリア山岳丘上都市シリーズより

もう随分前の話になりますが、1974年夏、フランス、イタリアの取材中、イタリアに独特な形成のしかたをした都市集落の存在を知り、以後このシリーズが始まったのであります。

山岳都市の多くはローマを中心とした円周上にある事、古街道つまり南へ延びるヴィア・アッピア(No.7)、北に上るヴィア・カッシア(No.2)、ヴィア・フラミニア(No.3)と何らかの関係を持ち、またそれらの集落の多くはエトルリアの遺跡の上に作られたものが多いのをつきとめ、手持ちの資料とイタリア・ツーリングクラブ発行の大きな地図帳を頼りに細い坂道を何キロも登っていくと、急に山の岩間にすばらしい集落がひらけてきた時の感激はたとえようもありません。これらの小さな中世都市は、自然と人間の深い接触、またその周囲の激しさの中に立ち、積み重ねられた石には、何世紀もの風雨の跡が黒くしみ込んだり、えぐられたりして老い朽ちながらも、そこには年老いた老人の顔に見られるような美しさがあり、その幻想都市はもう自然そのものであるという感動を受けずにはいられません。

これより以前から、写真表現の原点であるオリジナルプリントの価値と芸術性を追求し、ハイクオリティーな作品作りのため、特に8×10inの大型カメラでの制作を中心に行い、ファインプリントによる、バライタ紙やプラチナプリントでのイメージ表現の可能性を探究してきましたが、カラー作品にも強い関心を持ち、黒白と併行して撮影していましたが、当時はカラープリントの退色が大きな社会問題となり、カラーのオリジナルプリントは、パーマネンスを考慮すると、ダイトランスファー・プリントか、チバクローム(CB)プリントで仕上げるのが一般的でありました。しかしダイ・トランスファーはコストがかかりすぎ、またCBプリントは硬調になりすぎるため、苦肉の策として、カラーネガで撮影し、軟調のカラー・インターポジを作成し、CBプリントを制作していましたが、一般のポジ・ポジカラープリントが改良され、結果としてCBプリントが市場から姿を消していったのです。
私のカラーネガもストッカーにしまわれたままでありましたが、デジタル写真の進歩とともに、このネガをスキァナーで取り込んで諧調豊かなデジタルカラープリントに新たな活路を見出すことができました。今回の作品は全て8×10inのカラーネガで撮影し、デジタル化したものであります。

略歴 原 直久 HARA, Naohisa

  • 1946年

    千葉県松戸市

  • 1969年

    日本大学芸術学部写真学科卒業

  • 1972年

    日本大学芸術学部助手

  • 1976年~77年

    文化庁派遣在外研修員としてフランス・ドイツで研修

  • 1984年~85年

    日本大学長期派遣研究員としてパリを中心に研究活動を行う

  • 1994年~

    日本大学芸術学部教授

  • 2011年~

    日本大学芸術学部次長

  • 現在

    日本写真芸術学会会長 日本写真学会会員、
    日本写真協会顧問 全日本写真連盟理事

主な写真展

  • 1976年「蜃気楼」

    東京・銀座・日産アートサロン

  • 1979年「Paris」

    東京・虎の門・フォトギャラリー・インターナショナル(以下 P.G.I.)

  • 1982年「イタリア山岳都市」

    東京・虎の門・P.G.I.

  • 1986年「ヨーロッパ1984〜'85」

    東京・虎の門・P.G.I.

  • 1989年〜90年「原 直久撮影作品全省巡回展」

    台湾

  • 1995年「スペイン」

    東京・虎の門・P.G.I.

  • 1997年「ヨーロッパ: プラチナ・プリント・コレクション」

    P.G.I.

  • 1999年 「第2回台北国際撮影節」 グループ展

    台湾・台北・国立歴史博物館

  • 1999年 「ヘルテン国際写真フェスティバル '99」 グループ展

    ヘルテン・ドイツ

  • 2000年「ヴェネツィア」

    東京・虎の門・P.G.I.

  • 2000年「時の遺産」

    韓国・ソウル及びテグ(古土)

  • 2002年「時光的遺産」

    (白金的傳奇) 台湾・台北・台湾国際視覚芸術中心
    (TIVACギャラリー)

  • 2002年 「プラチナプリントの輝き」 グループ展

    東京・虎の門・P.G.I.

  • 2003年「欧州紀行」

    東京・芝浦・P.G.I.

  • 2005年「欧州紀行白金摂影展」

    台湾、台北、誠品書店・藝文空間ギャラリー

  • 2005年「アジア紀行:韓国」

    東京、芝浦・P.G.I.

  • 2006年「プラチナプリントの輝き・欧州紀行」

    中国、北京・影天國際藝廊

  • 2008年 「時の遺産‐原直久プラチナプリント作品展」

    中国、上海・上海美術館

主な写真集・著作など

  • 「時の遺産=ヨーロッパとの出会い」

    2000年 光村印刷株式会社発行

主なコレクション

  • 東京都写真美術館・東京
  • 清里フォトアートミュージアム・山梨
  • 台湾国立歴史博物館・台湾・台北
  • 金沢美術工芸大学・金沢
  • 上海美術館・中国、上海
  • <文中敬称略>
    画面上に表示の作品(画像データ)の著作権は、作者(はら なおひさ)に帰属し、法律によって保護されています。 これらの作品(画像データ)を、非営利の個人的な観賞用としてお持ちのディスプレイに表示することはできますが、それ以外の目的または形態で利用することはできません。 さらに、加工・改変、営利目的への利用、不特定または多数の人への展示等を禁止します。