市原 基

写真家が自ら語る”5枚”の写真
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作者による作品紹介

モンスーン「ヒマラヤ水系」

 アジアの背骨のように大地に広がる巨大な山脈、ヒマラヤ。南半球にあったゴンドワナ大陸から別れて北上したインド大陸が、ユーラシア大陸に衝突し、そのプレートの下へ潜り込んだことで造山活動が始まった。約4000万年前に始まった活動は、約1100万年前には落ちつき、7000〜8000m級の山々が連なる現在の形に近いヒマラヤ山脈が形成された。
 ヒマラヤ山脈の誕生とともに始まった大きな気象現象にモンスーンがある。1年を雨期と乾期に二分し、相反する方向から吹く季節風を「モンスーン」と呼んでいる。モンスーンのメカニズムには、この巨大なヒマラヤ山脈が大きくかかわっており、この両者がアジアにもたらす水は、この地域のあらゆる生命と文化を育んできた。数々の霊峰が連なるヒマラヤに端を発した聖なる川はガンジス、プラマプトラ、カリガンダキ、ヤルツァンポ、メコン、長江、イラワジなど多くを数え、各々に生態系や人々の生活、宗教などと密接な関係にある。
 神々の座と呼ばれる美しいヒマラヤ山脈とその地域の氷河や大河、水を中心とした人々の営み、動物や植物の素顔を通してみずみずしいヒマラヤ山脈の表情をとらえ、「ヒマラヤ水系」の表出を試みる努力を続けている。
 水は人類の永遠のテーマであり、環境を映す鏡でもある。環境保護が叫ばれる今こそ、水と人と地球の関係を見つめなおす意義があると思っています。取材地はインド(ラダック、シッキム、ヒマチャルプラデッシュ)、ネパール、ブーダン、ラオス、中国(雲南、チベット、四川)など。

略歴 市原 基 ICHIHARA, Motoi

  • 1948年

    徳島県生まれ

  • 1971年

    日本大学芸術学部映画学科卒業

  • 1974年

    日本大学芸術学部写真学科卒業

  • 1972年~

    琵琶湖取材開始(現在も撮影中)

  • 1973年

    アラスカ・グリーンランドのイヌイット取材

  • 1979年~1986年

    捕鯨取材

  • 1981年~2003年

    三國連太郎氏取材

  • 1987年~2006年

    「モンスーン」アジア取材

  • 1990年

    米国「ナショナルジオグラフィック」誌に南極の写真を発表

  • 1992年

    チョモランマ(エベレスト)登山取材

  • 2002年~2005年

    米国ボーイング社の企業広告を担当

  • 2004年~2006年

    四国放送TVで「食の現場をゆく」を取材、出演

  • 2006年

    徳島県観光ポスター6点製作

  • 2006年

    アフリカ(モーリタニア、セネガル)取材

  • 2009年~2010年

    オーストラリア西部穀倉地帯取材

主な写真展

  • 1986年「鯨の海・男の海」

    東京・大阪・福岡

  • 1994年「アジアモンスーン」

    東京・大阪・福岡・名古屋

  • 1994年「アジアの心とかたち」

    広島アジア大会組織委員会主催 外務省・文化庁後援

  • 1995年「市原 基の世界」ジャカルタ

    インドネシア独立50周年記念事業として開催

  • 1996年「豊饒の海・アジアの海」

    鳥羽市 海の博物館

  • 1997年「時代を見つめる写真家 24人の視覚」

    東京都写真美術館

  • 2003年「MONSOON」"水と生きるアジア"

    東京

  • 2006年「鯨を捕る」

    東京

  • 2009年「ヒマラヤ水系」

    東京

  • 2010年「ヒマラヤ水系」

    酒田市美術館、徳島県立近代美術館

  • 2010年「琵琶湖・湖北」

    東京・JCIIフォトサロン

主な写真集・著作など

  • 「南極海」

    1986 岩波書店

  • 「鯨の海・男の海」

    1986 ぎょうせい

  • 「アジアモンスーン」

    1993 朝日新聞社

  • 「TOKYO ISLANDS」

    1998 ぎょうせい(共著)

  • 「MONSOON」

    2000 エディション・スティンメル社(チューリッヒ・ニューヨーク)(英独版)

  • 「貌(かお)-三國連太郎」

    2003 第三書館

  • 極大新版「アジアから」

    2005 第三書館

  • 「鯨を捕る」

    2006 偕成社

  • 「Asian Blue」

    2010年 愛育社

  • <文中敬称略>
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