山崎 博

写真家が自ら語る”5枚”の写真
  • 写真:山崎 博 作品1
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作者による作品紹介

「ヘリオグラフィー(HELIOGRAPHY)シリーズ」より

「ヘリオグラフィー」[注] とは、写真の黎明(れいめい)期、創始者の一人であった ジョセフ・ニセフォール・ニエプス(Joseph Nicéhore NIÉPCE)が自身が発明した「写真術」に命名した言葉である。
他の発明者たちは、自分の名前を冠してあたかも商標のようなネーミングをおこなったのに対して、事の原理を標榜(ひょうぼう)しているその名は美しい。
1974年、最初の個展の "画面のセンターに水平線を置いた海のシリーズ" で、太陽の長時間露光の写真を撮影している時に、脳裏に浮かんだのがニエプスの「ヘリオグラフィー」であった。

"平凡な海"、それが光の変化のみをとらえる試みには重要であり、"美しい海" は必要ではなく、逆にじゃまでさえあった。
その "海" で撮影した太陽の光跡の写真は、ひとつの事件であったはずであるが、実のところそれほどの驚きはなかった。太陽の長時間露光を発想できた要因のひとつに、濃い ND フィルター(ND 400)の存在を以前からニコンのアクセサリーカタログで知っていたことがあり、その効果を予知できていたから......と思っている。
そんな事もあり、「海の光の変化のひとつ」であったその露光を、独立して作品化するまでには数年の空白があった。
言い換えれば、「実験の成功」から「表現の欲望」へと熟成していくまでには時間が必要であったのだろう(あたかも長時間露光のように)。

撮影の技術的な事に多少触れると、データを見ていただくと気がつかれるとおもうが、「ニコン F アイレベル」を多用している。これは長時間露光のような撮影には電源を必要としないメカニカルシャッター機が適しているからであり、いまでも「F」は現役である。

  • [注]「ヘリオグラフィー」:仏語(Heliographie)で、"太陽の画" の意

略歴 山崎 博 YAMAZAKI, Hiroshi

  • 1946年

    長野県生まれ

  • 1968年

    日本大学芸術学部を中退

  • 1969年

    写真を始める。以降、フリーランス・フォトグラファーに

  • 1973年

    16ミリフィルム作品(映画)を作り始める

  • 1983年

    太陽の長時間露光による一連の作品、「海と太陽」で「第33回 日本写真協会 新人賞」を受賞

  • 1994年

    「全国カレンダー展 総理大臣賞」を受賞

  • 2001年

    超望遠レンズによる太陽の光を背景に、山形や東京の桜花を媒介(被写体)としたレンズを使わない「フォトグラム」の「櫻花図」で「第26回伊奈信男賞」を受賞

  • 現在

    東北芸術工科大学 情報デザイン学系 教授(1993年~)
    武蔵野美術大学教授(2005年~)
    写真協会 会員、映像学会 会員
    写真(光画)における「光」の役割を考え、"光画像を定着する" 写真および映像作品を制作。
    画像(と映像)の新たな可能性を常に追い求めた作品は、作品自体が優れた写真論として結実しているとも評され、ニューヨーク近代美術館、埼玉県立近代美術館、米プリンストン大学美術館、米アリゾナ大学クリエイティブ写真センター、米 International Center of Photography、米ポラロイド社、横浜美術館、東京芸術大学、東京都写真美術館、千葉市美術館などが収蔵(コレクション)している。

主な写真展

  • 1974/6/7/8/9年 「OBSERVATION・観測概念」

    ガレリア・グラフィカ(東京)他

  • 1976年 「山崎 博 個展(16mm)」

    アンダーグラウンド・シネマティク(東京)

  • 1981年 「山崎 博 個展」

    ボックスギャラリー(名古屋)

  • 1982年 「シリーズ・フィルム・メーカー 山崎 博 / OPTICAL LANDSCAPE on Movie」

    イメージフォーラム(東京)

  • 1982年 「山崎 博 1972-82」

    ツァイト・フォト・サロン(東京)

  • 1982年 「テン・ポインツ-ヘリオグラフィー」

    小西六フォトギャラリー(東京)

  • 1982年 「HELIOGRAPHY DAY and YEAR」

    銀座ニコンサロン

  • 1983/7/9年 「OPTICAL LANDSCAPE」

    ナガセ・フォトサロン(東京)他

  • 1984年 「水平線採集」

    ポラロイド・ギャラリー(東京)

  • 1985/6年 「水平線採集 II」

    オリンパス・ギャラリー(東京)、ピクチャーフォトスペース(大阪)

  • 1990年 「山崎 博 映像展 Fix and Movement」

    船橋西武アートスポット

  • 1990年 「櫻」

    ツァイト・フォトサロン(東京)

  • 1990年 「CRITICAL LANDSCAPE」

    ヒルサイドギャラリー(東京)

  • 1993年 「山崎 博 1969-1992」

    プラザ・ギャラリー(東京)

  • 1993年 「櫻 - EQUIVALENT」

    細見画廊(東京)、TEMPORARY SPACE(札幌)

  • 1994年 「Walking works」

    ギャラリー・アートグラフ(東京)

  • 1994年 「水平線採集 III」

    コンタックスサロン(東京)

  • 2001年 「櫻花図」

    銀座ニコンサロン、大阪ニコンサロン

  • 2002年 「YAMAZAKI HIROSHI EARLY WORKS 1969-1974」

    ギャラリー プレイス M(東京)

  • 2009年 「動く写真!止まる映画!!」

    クリエイションギャラリーG8、ガーディアンガーデン(東京)

主な写真集・著作など

  • 「HELIOGRAPHY」

    1983年 青弓社 (ISBN 4-7872-7000-1)

  • 「水平線採集」

    1989年 六耀社 (ISBN 4-89737-094-9)

  • 「EARLY WORKS 1969-1974」

    2009年 ディスクユニオン

  • <文中敬称略>
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