WE LOVE NIKON interview08
John S. Payne | ポートレートフォトグラファー、アメリカ在住

こだわりのスタジオは
ニコンと歩んだ人生の証です

John S. Payne

350点超のニコンに刻まれた
40年の歴史

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Payneさんはかつて映画館だった歴史的建造物にスタジオをお持ちですが、こちらにスタジオを設けることになったいきさつをお聞かせください。

 この建物を購入したのは1988年の2月です。写真の仕事が軌道にのって5年ほど経ったころです。当時、ノースカロライナでは、家具産業が盛んでした。そこで、家具などの大きいものを撮影できるスタジオが欲しくて、天井が高く、柱のない、広いスペースを探していました。条件に合う場所となると教会や倉庫あたりかなと考えていましたが、映画館はさすがに思い浮かびませんでした。たまたまこの建物の前を通りがかった時に、ちょうど売り出し中だったので、中を見せてもらうことにしたのです。ひとめ見ただけで広々としたスペースに心を惹かれました。天井まで約7.6mと高く、面積は約557㎡もあります。その広さだけでも十分な決め手となりました。購入後、アール・デコ時代に建てられた建物の歴史的価値を活かしながら撮影スタジオとギャラリースペースとして使えるように改修し、オープンしたのは1989年1月です。
 90年代の半ばには、少ないながらもニコンコレクションと呼べるものができてきました。いまでは我ながら相当な数になっていますが、この広さだからこそすべてのコレクションの展示もできます。スタジオはコレクションを眺めることもできる、心安らぐ場所でもあります。
 それから仕事の比重が徐々にポートレートに移り、今ではおよそ8割が人物の撮影になりました。スタジオは今まで撮影したポートレートの作品であふれています。

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ポートレートに必要なものは
信頼関係とニコンのカメラ

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現在では主にどのようなポートレートをお撮りになっていますか?また、人物を撮影するときに心がけていることは何かありますか?

 広告に使う写真のほかに、家族の記念写真や子供の写真、それに高校の卒業アルバムなどが主ですね。人物を撮るときは、特に表情を見ながら撮影しています。多くのフォトグラファーは「目」にフォーカスしながら撮影すると言うでしょうが、私は顔全体に注意を払います。撮影される人と私との間に信頼関係ができ上がり、気を緩めてリラックスした表情をしてくれるように導くことが大切だと思っています。そのためにはカメラ機材に気をとられることなく、撮影される人とのコミュニケーションにすべての神経を注がなくてはなりません。その意味でも、ニコン製品の信頼性は私にとって欠かせないものとなっています。写真のクオリティーに関してはカメラを信頼していますから、私は目の前の人とのコミュニケーションに専念できる。もはや体の一部になっているニコンのカメラや、心から信頼できるNIKKORレンズのおかげです。ニコンは私が40年以上信頼し使い続けてきたブランドです。長い年月をかけて築き上げてきたニコン製品との信頼関係こそが、私が仕事として自信を持ってポートレートの撮影に向き合うことができる理由です。

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ポートレートにはどのカメラを使用しているのですか?

 主に使用しているのは「D4」です。カメラの造りの良さとボディーの感触が気に入っています。それにレスポンスもオートフォーカスも素晴らしい。大判の写真に引き伸ばす必要がある場合には、「D800E」を使います。近々「D850」にアップグレードする予定です。よく使うレンズは70-200mm f/2.8 VRⅡ、105mm f/1.4、24-70mm f/2.8あたりですね。

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人生を決めた
ニコンとの出会い

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Payneさんのニコンとの出会いと、ニコンに対する思いをお話しいただけますか?

 ニコンを知ったのは、11歳の頃でした。フォトグラファーだった8歳上の兄がニコンを選んでいたこともあり、私も兄の後を追うようにニコンに夢中になりました。これがニコンのカメラとNIKKORレンズとの付き合いの始まりでした。
 中学生になってようやく手に入れた最初のニコンカメラが「ニコマートFT2」。エントリーレベルのカメラですが、私にとっては憧れのニコン製品でした。それからは寝ても覚めてもこのカメラと一緒でした。
 それ以来、写真への思いを受け止めてくれるのは、いつでもニコンのカメラ。ビジュアルアートの追求を可能にする、素晴らしく精密に造られた道具です。ニコンは、40年以上にわたり私のフォトグラファーとしての成功を支えてくれました。

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ニコンが仕事の道具として優れていると思う点はどのようなところでしょうか?

 これまでの私の人生は、間違いなくニコンと共にありました。プロになることを目標に据えたとき、Fマウントへのこだわりなど、システムとしての一貫性にこだわるニコンが最適だと思ったのです。ニコンの高い品質と多岐にわたるアクセサリー、そして揺ぎない信頼性が、自分が思い描く世界を的確に表現してくれました。
 プロになってから心強く感じるのは、トラブルの少なさです。フォトグラファーという仕事は、使っている機材が信頼できないと成り立ちませんが、ニコンはこれまで、どんな場面においても安心して使うことができる優れた製品をつくり続けてくれました。しかもニコンのカメラは、操作性がとてもいい。以前のデジタルカメラ、たとえば「D300」や「D2X」でも、今でも手に取ってすぐ使うことができます。なぜなら、今のカメラも昔のものと同じように操作できるからです。
 それに何と言ってもNIKKORレンズが素晴らしい。光学性能の高さ、マウントの堅牢さなどに、ニコンの高い技術力を感じます。仕事に使うカメラには、自分の頭の中で描いたものが確実に再現できるように、幅広いレンズの選択肢が必要です。しかもすべてのレンズがプロの求める描写力と信頼性を満たしていなければなりません。その意味でもNIKKORレンズは頼りになります。私が仕事の道具としてニコンを信頼している大きな理由のひとつです。そもそも兄の持っていたNIKKORレンズを必要に応じて借りることができたことが、ニコンのシステムを選んだ大きな理由でした。プロになってからも、暗室の中ではこれまで25年間以上EL NIKKORレンズを使っていますし、ビューカメラでフィルム撮影するときもNIKKORレンズを使っています。振り返ってみると、私はあらゆる場面でNIKKORレンズと共に過ごし、フォトグラファーとして成長してきました。

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350点を超える
ニコンコレクション

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Payneさんはコレクターとしても相当な点数のニコン製品をお持ちですが、これまで収集したものの中で最も印象に残っているのは?

 写真を始めた当時から、使っていたカメラを売ってアップグレードするということができませんでした。最初に買ったカメラさえ未だに手放していません。手に入れたカメラを売ることなく持ち続けていたら、コレクションが増えていきました。
 現在では350点を超えるカメラとレンズを持っています。コレクションとして系統立てて収集してきたわけではなく、自分が使用していたもの、欲しかったものだけを集めてきました。そのため、同じ機種のカメラでもバリエーションが違うものがあったり、同じ焦点距離のレンズでもデザインやエレメンツの違いで複数あるので、初めて見た人はびっくりするかもしれませんね。
 これまで使用してきたカメラの中で最も印象に残っているモデルは「ニコンF」です。今でも問題なく使えます。とにかく品質が素晴らしい。今日のカメラ業界に大きな影響を与えたカメラと言っていいでしょう。
 コレクションはスタジオに展示していますので、撮影中に一味違う仕上がりにしたいと思ったときには、棚に展示している40年もののレンズに手を伸ばして使うこともできます。クラシックと呼ばれるレンズが、最新のカメラで使用できる。私が心から惚れ込んでいる時を超えたシステムの互換性は、ニコンの誇りでもあり、ニコンらしさを支えているものだと思います。

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コレクションとしてお持ちのニコン製品の中でベスト3を選ぶとしたら?

 1959年に販売された「ニコンF」の黒ボディーは自慢の逸品です。シリアルナンバーが640から始まる初期のもの。この時代のカメラはさほど探さなくても見つかるのですが、黒のボディーとなるとなかなか見つかりません。このカメラ用のモータードライブ F-36も持っています。この黒ボディーがナンバーワンかな。
 8mm f/2.8のフィッシュアイレンズもお気に入りのひとつです。もうひとつ選ぶなら「ニコンF3/T」ですね。化粧箱に入ったレンズ付きの限定生産品です。

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今後のニコン製品に期待することは何でしょうか?また、どのような製品をご希望ですか?

 レンズでいえば、FXフォーマットの広角ズームがあればいいなと思います。すでにあるものよりもう少しワイドなタイプです。他社からは11mmあるいは12mmからのレンズが出ていますが、私はニコンにこそ作って欲しい。ニコンには発売当初から現在に至るまでとても評価が高い14-24mmがあります。それでも私は、ニコンの12-20mmを見てみたい!わかりますか?12-20mmでf/2.8くらい明るければ、ワイドアングルが好きな人は絶対に買うはずです。
 カメラでいえば、ミラーレスの新製品。「Df」系統のデジタルカメラもいいですね。外観デザインが「ニコンF」や「ニコンFM」のような。私はセールスの経験があるので、個人的に欲しいというだけでなくセールスの観点からみても、人気を集めると思いますよ。ニコンなら手が届きやすい金額で作ることができるのではないでしょうか

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創立100周年を迎えたニコンへメッセージ

私は、クリエイティブな表現をする手段として写真を始めました。それから40年余り、自分が頭に描いたものを写真で表現できるように努力を重ねてきました。常にニコンのカメラを手に写真と向き合ってきたのです。当然、カメラに対する思い入れも人一倍強い。どうぞこれまでと変わらず、私のようなプロのフォトグラファーの考えや思いをよく聞き、目を配り、受け止めてくれる、ニコンの姿勢を大事にしてください。それがニコンの研究開発の大きな力になっているのだと思います。ニコンブランドの活力、優位性が高い位置に保たれているのは、こうした努力が製品に反映されているからではないでしょうか。これからもニコンを愛する私たちのためにより良い製品をつくり続けてくれることを願っています。

John S. Payne

John S. Payneさん

ロッチェスター工科大学/Rochester Institute of Technology(ニューヨーク州、ロッチェスター市)にてプロフェッショナル写真学の学士号を1985年に取得。

所属団体:
Professional Photographers of America (PPA)

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